自動車整備士不足でやってくる車検のできる工場の不足

8suke / PIXTA(ピクスタ)

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2016年はアクセルとブレーキの踏み間違い、高速道路の逆走など、自動車運転で高齢者のドライバーを中心とした誤認事故が多く目立った。国土交通省や自動車メーカー、その関連企業は、事故防止装置の開発や、運転免許返上などによって事故防止に努めている。しかし、もっと大きな別の問題も差し迫っている。それは自動車の安全に欠かせない自動車整備士の不足だ。

「自動車整備士とは、車をメンテナンスする技能を持つ国家資格保有者を指します。ここ5年間は整備士数が34万人強とほぼ横ばいで推移しています。次代の担い手がいない状態なのです」(交通専門媒体記者)

整備士数は横ばいだが、2014年に新たに整備士資格を取得した数は約2万9000名で、2008年と比較すると3割減となっている。整備士の高齢化も急速に進んでいるという。

整備士になる一般的なルートは、まず高校卒業後、自動車整備士の専門学校に入り、技術と知識を身に付けながら、自分に必要に応じた等級の整備士資格を目指す。資格取得後は、メーカー系列ディーラーとして勤務するか、もしくは独立資本系の専業・兼業自動車工場で務めるかに分かれる。

現在では、その入口である整備士の専門学校に進む高校生が少なくなっており、さらには中小零細である町工場は、特に採用に苦慮しているという。

「整備士を志す若年層が減っている大きな理由は、劣悪な労働環境です。残業時間が長い上に、国交省の調査によれば、賃金に不満を持つ整備従業員は6割以上とかなり高い水準にあります」(同・記者)

特に専業工場を取り巻く環境は、人材難以上に深刻だ。電動化や自動運転の普及で、自動車の整備技術が高度化しているため、メーカー系列のディーラーでしか修理できない場合が多くなっている。専業工場は、ディーラーへ車を送る手続きをするだけの“仲介業者”になってしまっているのが実態だ。

「専業工場は何とか“車検サービス”で食いつないでいますが、これだけでは儲かりません。収益率の高い修理を請け負わなければ、いずれ整備工場が立ち行かなくなるでしょう。今後10年でこれら工場が次々と倒産していくことは明らかです。車検中心のビジネスへと誘導してきた国交省政策のツケが回ってきたのです」(都内整備会社社長)

自動車の仕様の変化とともに、それを取り巻く環境も急激に変わろうとしている。

 

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