映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『クライム スピード』

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“愚兄賢弟”、兄弟で襲う銀行強盗&カー・アクション!

『クライム スピード』
東京テアトル、日活配給/有楽町スバル座ほかで11月7日より公開
監督/サリク・アンドレシアン
出演/エイドリアン・ブロディほか

タタキのカツオも大好きだが、タタキ(強盗、強奪もの)の映画もイイねえ。洋画なら往年の『黄金の七人』(1965年~)シリーズから、近年の『バンク・ジョブ』(08年)まで。

邦画だって、かつての東映の『ギャング対Gメン 集団金庫破り』(63年)から、近年の『黄金を抱いて跳べ』(12年)まで、ワケありの連中が狙ったお宝をゴッソリ頂く乾坤一擲の計画。時には仲間割れ、裏切り者など不測の事態が起こり意外な結末へ…という展開もスリリング。

そんな“タタキ”映画最新作が『クライム スピード』だ。かつてのスティーブ・マックイーンの『セントルイス銀行強盗』(59年、日本未公開)のリメークでもある。

せっかく更生したのに、ムショ帰りの兄貴に引きずられようにして銀行強盗に加担するハメになる弟。典型的な“愚兄賢弟”ものと言えよう。

兄貴には『戦場のピアニスト』(02年)でアカデミー主演男優賞に輝いたエイドリアン・ブロディ。ヘンにお芸術に走ることなく、娯楽映画の悪役もこなしているのが立派。

ちなみに、正月第2弾のジャッキー・チェン主演の歴史スペクタクル『ドラゴン・クエスト』でも悪役を演じている。

今回も小悪党感丸出しで、言い訳、泣き言に走るサマ、銀行強盗の果ての態度が演技派としての見せどころ。