金正恩の真の暗殺ターゲットは金正男の息子「金漢率」か

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金正男の殺害のニュースを受け、フランスのパリ政治学院に留学中とされる正男の息子、金漢率(キム・ハンソル)氏に身の危険が迫っている。

その理由は、“ナンバー2の存在は絶対に認めない”とする、金正恩朝鮮労働党委員長が実の兄に手を掛けた今回の件の動機にある。正恩の独裁のために最も邪魔な存在になるであろう人間は、賞味期限の切れた正男ではなく、彼の長男である金漢率なのではないかというのだ。

「中国は、亡命中だった金正男を“切り札”として持っていたのです。北朝鮮国内で暗殺やクーデターが起きれば、いつでも正恩の首を正男にすげ替えるつもりだったとされていました。そうすれば、在韓米軍の“緩衝地帯”としての北朝鮮を温存できます」(北朝鮮ウオッチャー)

しかし、正男は殺害され、亡き者にされてしまった。そこで担ぎ出されるのが金漢率だ。

「儒教文化圏では、長男が家督を継ぐことが当然という認識です。そのため、漢率は中国から見ても、最も正統的な後継者といえます。アメリカも漢率が後継者になることに賛同しやすいでしょう。2013年8月にパリ政治学院に進学しており、2012年10月にフィンランド国営放送が行ったインタビューでは、北朝鮮の福祉の向上に寄与すること、人権改善のために努力し世界の平和を構築したいという抱負を明らかにしています。アメリカにとっても“適任者”といえます」(同・ウオッチャー)

しかし、報道によると、金漢率氏は現在行方が分かっていないという。パリ当局にすでに保護されているのか、あるいは中国が匿っているのか…。

金漢率氏は2011年、ボスニア・ヘルツェゴビナのインターナショナルスクール、ユナイテッド・ワールド・カレッジのモスタル校に入学し、2013年にフランスのパリ政治学院に入学。日ごろから北朝鮮の世襲体制に否定的な立場を示していたとされる。

「稀代の暴君である正恩の目的が、自分以外の“純粋な白頭山血統”の根絶やしにあるなら、漢率の命を狙うことは十分に考えられます」(同・ウオッチャー)

国民の幸福など全く考えず、ただひたすらに自分の幸福を追い求める独裁者ほど厄介な存在はない。

 

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