「パノラマ的な世界」へ引きずり込まれる昭和の傑作駄玩具

「元祖クールジャパン」再検証

~ファイル7【ことりあつめ】~

寒さのあとに暖かい日もやってくるようになり、緩やかに春めいてまいりました。野や山へと出掛けたくてソワソワしている方も多いのではないでしょうか。そんなウキウキ気分をギュッと凝縮し、見ているだけで思わずウットリしてしまう駄玩具『ことりあつめ』をご紹介します。

どぎついくらいの彩りがキッチュな感じでいいですね

クジを引いて、書いてある番号のモノがもらえる、いわゆる“当てもの”です。現在のコンビニなどで販売されているハズレなしの キャラクターくじ『一番くじ』のようなものです。ハズレはブリキのバッジ、2等はプラスチック製の置き物、特等はポリ製の動く目玉が付いた大きなフクロウです。

なんといっても素晴らしいのは野山や湖や空が描かれた台紙に、それら小鳥の玩具が付いていて、台紙自体がひとつの世界を作り上げているところです。

これを売っている駄菓子屋さんに入ったら、いまにも小鳥たちのさえずりが聞こえてきそう。子供たちも駄菓子をつまみながら、おもちゃのバードウオッチングを楽しんでいたのではないでしょうか。

野山が描かれた台紙に、異なる素材の小鳥たちがくくりつけられています

もうひとつの特色としては、ブリキ、ポリ、プラスチック…といろいろな素材が交じっていることです。石油化学の発展によって革新的な素材がどんどん世に出てきた時代だっため、このような構成になったのでしょう。

一見、まとまりのないような印象を受けますが、それぞれの素材がよさを主張していて、とても素晴らしいと思います。

もうすぐ学校や会社で新しい生活が始まります。他人に合わせることはありません。自分の持っている素質をのびのびと活かせばそれでいい、そう小鳥たちが語りかけている気がします。

(写真・文/おおこしたかのぶ)

 

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