「黒猫を見ると縁起が悪い」という迷信はなぜ生まれたのか?

タッシー / PIXTA(ピクスタ)

ヤマト運輸のトラックが目の前を横切ると不幸になる…。このような“黒猫”が不幸をもたらすという都市伝説は多い。ところが、この俗説は西洋から入ったもので、日本では古くから、逆に幸運を呼ぶ縁起のいいものとして扱われてきたのだ。

西洋説の源流をたどると、古代エジプトの“猫神信仰”にまでさかのぼるという。それがギリシア神話と融合していくのだが、キリスト教との衝突が起きると黒猫は完全に悪魔の化身となる。

「中世ヨーロッパでは、拷問によって自白を引き出す“魔女狩り”が行われていましたが、そこから、黒猫は魔女の化身であるという俗信が広まり、黒猫には邪悪な力が宿っているという固定観念が生まれ始めたのです。こんな話を聞くと、猫好きからは『黒猫の魅力を知らずに不吉だなんて…』と呆れる声が聞こえてきそうです」(サブカルチャー評論家)

近代以前の日本では、夜でも目が見えるなどの理由から、黒猫は“福猫”として魔除けや幸運、商売繁盛の象徴とされてきた。黒い招き猫もあるなど、魔除け、厄除けの意味を持つ幸福の猫として大切にされてきたのだ。

 

世界最古の招き猫も黒猫

「江戸時代の黒猫は縁起ものであり、真っ黒な猫は“カラス猫”として縁起がよいとされていました。幕末では、当時不治の病と恐れられていた『結核』が治るともいわれ、新選組の沖田総司も飼っていたくらいです。京都の檀王法林寺にある世界最古の招き猫は黒猫で、“不思議な神通力がある故に模索が禁じられた”ほどに信仰を集めていたくらいです。だいたい普通に売られている招き猫にも、黒猫バージョンがあるではありませんか」(同・評論家)

明治の文豪、夏目漱石の『吾輩は猫である』の主人公のモデルは、漱石が37歳のときに夏目家に迷い込んで住み着いた、野良の黒い猫だ。漱石の妻、鏡子はこの迷い猫を福猫としてかわいがっていた。

「カラス、クモ、黒猫は、日本では三大縁起物でしたが、西洋文化が入ったことにより逆に縁起が悪いと言われるようになってしまったようで残念です」(同・評論家)

外来の“アマゾン”とクロネコの相性がイマイチなのもうなずけるというものだ。

 

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