戦後復興期にもあった個性的なランドセル

「元祖クールジャパン」再検証

~ファイル11【豚革ランドセル】~

もうすぐ4月。新一年生が真新しいランドセルをしょってハツラツとした笑顔で登校する姿は見ていて気持ちいいものです。

しかし、当の本人がランドセルを気に入っているとは限りません。私も入学時に親から牛革の立派なランドセルを買ってもらいましたが、特にうれしくはありませんでした。ランドセルってみんな同じ形だし、男子は黒、女子は赤と規格的じゃないですか。それに何より重いし。

調べてみると、そもそもランドセルは、幕末に幕府が軍隊を導入する際に、オランダからもたらされた背嚢(はいのう:リュックサックのこと)がルーツだということです。そういうものが日本全国、当たり前のように普及していることが、日本の教育がいかに軍隊的であるかを物語っているような気がします。

私が入学した昭和40年代初期には、ほとんどの学童が牛革の立派なランドセルを使用していましたが、それよりもうちょっと前の時代、戦後復興期には、写真のような安価な豚革製のランドセルが主流でした。豚革は、牛革に比べて表面の色が美しくなく、ブツブツとした穴が開いています。

それでも、このランドセルがいいなぁ~と思うのは、黒と赤でキッパリと男女差を付けるのではなく、男子は野球少年、女子は小鳥と花の、それぞれエンボス加工に手塗りでカラフルな彩色が施されたカワイイ絵が描かれているところです。

おそらく、先ほど挙げたような豚革の欠点を隠すための処理だったのかもしれません。しかし、牛革ランドセルの画一的な美しさより、豚革ランドセルの個性的な楽しさの方がずっといいと思います。

(写真・文/おおこしたかのぶ)

 

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