訪日外国人患者の「医療費踏み倒し」で病院がピンチ

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外国人観光客が医療費を未払いにしたまま帰国する問題が相次ぎ、病院が悲鳴を上げている。関係者は、「食い逃げは逮捕されるのに、医療費の踏み倒しは許されるのか」と憤りを隠していない。

空港近くの、とある医療センターに来院する人は、大半が急患だ。しかし、未納となる人は旅行保険に加入しておらず、クレジットカードも持っていないことが多い。膨大な医療費をその場で支払えないため、帰国されてしまうとそのまま連絡が途絶え、治療費を徴収できないことになる。

「日本と違い、中国では診察費は前払いです。救急車でさえ誰が料金を支払うか決めてからでないと、どんなに重症の患者がいても出動しません。しかし、日本は後払いのシステムですから、治療費の踏み倒しも起きやすいのです」(医療ライター)

多くの日本人旅行者は、海外損害保険に加入してから旅立つ。そのため診療費は保険でカバーすることが多く、現地で現金支払いするケースはごく稀だ。海外で医療費の未払いを行う日本人はほとんどいないが、これは世界では稀なのである。

 

トラブル防止のために医療通訳を雇う病院も

「治療前に十分なコミュニケーションが取れていないと『ここまで治せとはいっていない』と難癖を付けてくるケースも多いのです。この医療センターでは、外国人観光客との間で医療費をめぐるトラブルを経験して以来、独自の未収金防止マニュアルを作成し、医療通訳も常勤しています。事前に医療費を明示して、治療法も細かく説明して、カード払いでは原則として頭金をもらうなどの対策を施しました。それでも問題はなくならないといいます」(同・ライター)

こうしたことから日本の保険各社は、相次いで訪日外国人向けの商品を発売し始めた。

「すでに三井住友海上火災やあいおいニッセイ同和損害保険が、宿泊先の旅館や旅行代理店など法人向けの旅行保険を発売しています。英語や中国語など12カ国語の通訳のほか、通院すべき医療機関を紹介するサービスが付き、5日間滞在で加入料はひとりあたり約1400円に設定。100万円を上限に医療費を負担する商品です。損保ジャパン日本興亜も、個人旅行者向けの保険を発売しており、英中韓の3カ国語に対応できるコールセンターで24時間対応し、患者に提携する約800の医療機関を紹介しています」(保険ライター)

訪日外国人観光客数は、昨年初めて2000万人を突破した。日本政府は東京五輪が開かれる2020年に4000万人という目標を掲げている。これが達成されれば、さらに多くの病院が被害を被ることになるだろう。早急に対策をせねばならない。

 

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