シン・ゴジラ並みの覚醒映画「キングコング 骸骨島の巨神」

映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『キングコング 骸骨島の巨神』

ワーナー配給/3月25日より新宿ピカデリーほかで全国公開
監督/ジョーダン=ボート・ロバーツ
出演/ブリー・ラーソンほか

昨年、日本の『シン・ゴジラ』が大ヒットしたが、アメリカも負けじとばかりに“怪獣王”キングコングを出してきた。

これまでの映画化は、前半がコングのいる島で、後半は大都会で大暴れという流れだったが、この映画は“コングのいる島編”を約2時間にまとめている。観る前は、期待は正直言って“中”ぐらいだった。すでに色あせた企画だと思ったからだ。しかし、シン・ゴジラが見事に覚醒したように、こちらも予想以上の新魅力を発散し、見応え十分!

まず新設定が凝っている。時代はベトナム戦争終結直後の1973年に設定され、プロローグは1944年の第2次大戦中、不時着した日米パイロットが1対1の死闘を崖の上で繰り広げていると、コングの巨大な手が現れる、という最初のツカミが抜群で一気に引き込まれる。

それから30年近くたち、ベトナム従軍の戦闘員、特務機関の幹部、女性カメラマンらで構成された探検隊が島に到着すると、そこには生き残りの米軍戦闘機乗り(ジョン・C・ライリー)が部族とともに生活しており、彼らの守り神がキングコングというわけだ。

このあたり『飛べ!フェニックス』(1965年)、『太平洋の地獄』(1968年)など、1960年代映画への目配せがあり、オールド・ファンはニヤリ。ロバーツ監督はかなりの映画オタクとして知られているそうな。

コング対人間たち、コング対ヘリ部隊、そしてコング対地底のトカゲ怪物と続くバトルの連続は、CG頼みとはいえ、かなりのド迫力。そんな中で、やっぱり注目はコングが一目ぼれするパツキン美女。今回は『ルーム』(2015年)でオスカー主演女優賞受賞の新進スター、ブリー・ラーソン。初代のフェイ・レイはむろん、先々代ジェシカ・ラング、先代ナオミ・ワッツと歴代“コング・ガール”はド・パツキンと相場が決まっているのだが、今回はちょっとダークなのが残念。

当初はブリー嬢じゃなあ、『ターザン:REBORN』(2016年)のマーゴット・ロビーみたいな極上ド・パツキンを出さんかい! とブーたれていたが、映画自体の予想以上の面白さに免じて許す気分になり、このブリー嬢も話が進むにつれドンドン魅力的に、武闘派にもなり、お約束のコングの掌に抱かれるシーンも納得した次第。タンクトップ姿が意外と“隠れ巨乳”なのも新発見!

そして、試写室大受けしたのがエピローグ。次回作への“予告”もしっかり。2020年には『ゴジラ対キングコング』の映画化決定なのだから、3年後の目玉は東京オリンピックだけではないっ!

 

【あわせて読みたい】

※ ナオミ・ワッツの薄幸さが光る映画「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」

※ 軽薄でアンニュイ漂うアウトローを渡哲也が好演する名映画

※ 映画「彼らが本気で編むときは、」で生田斗真が難役に挑戦

※ スティーブン・キング原作の映画「セル」は期待以上のホラー作品

※ 佐々木蔵之介と横山裕の関西弁が小気味いいアウトロー映画