「質屋」が絶滅の危機に瀕している

ごりっぱ / PIXTA(ピクスタ)

週末や休日にはさまざまなところで、フリーマーケットを開催しているのを目にする機会が多くなった。また、ヤフオクやメルカリといった、個人でインターネットに所持品を出品して売買をするということも、珍しいことではなくなっている。

こういった、個人売買が一般的になる前は、不要品を買い取り業社や質屋へ持っていくのが主流だった。いわゆる買い取り業者では、中古や新古のバッグや宝石類といったブランド品を安く購入することが可能だ。数多く存在する買い取り業者の中で『大黒屋』は質屋も併設しているのが特徴。若い人たちにとっては、買い取り業者だとか質屋と言っても、いまいち分からないかもしれない。

質屋の主業は、店に持ち込んできた物品を、盗品ではないか、価値はどれほどかと鑑定し、これを担保にして期限を決めて金銭を貸し付ける。その歴史は古く、起源は鎌倉時代までさかのぼるという。貴金属やブランド品など持ち込まれた物品は“質草(しちぐさ)”と呼ばれ、期限内に借用した金銭を返金すれば、いつでも物品を受け戻すことができる。

もし期限までに元利の返済がない場合は“質流れ”となり、質屋が質草を処分する権利を得る。

「最近は好調な中国経済に円安も重なって、質流れしたり買い取ったりしたブランド品や宝石が、古物商マーケットを通じて高値で中国に流れていました。衰退を重ねてきた質屋業界もこれで一時的に難を逃れてきたのですが、それもつかの間、昨年ごろから相場が2割以上も下がっています」(流通アナリスト)

 

時代のニーズから外れていく質屋

全国の質屋の数は1958年の2万1539店をピークに減り続け、2015年には3034店まで減少した。質屋の減少に拍車をかけたのが、サラ金などといった消費者金融だ。その後はクレジットカードや銀行系カードローンも普及し、対面式の質屋は敬遠され始める。そこへ買い取り専門店やリサイクルショップが台頭し、存在感がますます希薄になった。

だが、質屋が減少する最大の要因は、物への接し方が変化してきたことが背景にはあるようだ。

「いまの若者はもちろん、中高年も物に対するこだわりがなくなった。後日、取り戻すことを前提にした質屋より、買い取ってもらえるところに持ち込んだ方が後腐れなくていいと考えるようです。そもそも物への憧れもあまりない時代だから、時計やブランド品など質草の流通も減少しています。質屋が衰退していったのは時代の流れでしょう」(都内質屋店主)

近い将来には、「質屋って何?」という時代がやってくるかもしれない。

 

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