中国の習近平国家主席が関わったとされる香港富豪拉致事件

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カリブ海東部にアンティグア・バーブーダという小国がある。小アンティル諸島に位置するアンティグア島、バーブーダ島、レドンダ島からなる国家で、日本の種子島ほどの面積しかない。首都はセントジョンズ。イギリス連邦の加盟国である。

「人口は9万2000人ほど。最大の援助国は日本で、これまでに60億円近い無償援助を行っています。目立ったものとしてはアメリカ軍のレーダー基地があるくらいで、あとはサトウキビとラム酒、観光業くらいしか産業はありません。ところが中国がここに目を付け、タックスヘイブンとして最大限の利用を図ってきました。しかし、習近平国家主席の腐敗一掃政策から、今後は習派と江沢民派による権力闘争の震源地になるかもしれないのです」(国際ジャーナリスト)

2014年8月に、同国のブラウン首相は北京を訪れ、習主席と李克強首相に面会している。このときには一体何が話し合われたのか。

「この国の外交官パスポートを持ち『無任所大使』として任命されていた外国人がふたりいます。ひとりは映画俳優のロバート・デニーロで、彼は恐らく観光大使としての役割を担うためでしょう。そして、もうひとりは肖建華という香港財閥の一角を率いていた実業家です。肖氏が公用パスポートを保持していたのは2014年8月8日からの2年間で、英語名が『Jianhua』であると写真入りのコピーがサウスチャイナ・モーニングポスト紙面で報じられたことがあります。このパスポートの公表直後に、先の首相が北京を訪問しているのです」(同・ジャーナリスト)

 

肖建華とは何者か?

この肖氏は、香港の最高級ホテル『フォーシーズンズ・ホテル』に長期滞在していたものの、現在は行方不明だ。中国に拉致されたという情報がある。

「彼はインサイダー取引の元締めとして知られ、太子党(中国共産党の高級幹部の子弟などで特権的地位にある者達)のファンドにも深く絡んでいました。肖氏のバックには、江や曽慶紅、賈慶林ら江沢民政権時代の大物が名を連ねています。つまり習主席は、肖氏に彼らの不正蓄財を吐かせ、本気で江沢民一派の掃討作戦を実行するようなのです」(同・ジャーナリスト)

江沢民一派の最期は近い。

 

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