引退した木村沙織と対照的な道を歩むベテラン栗原恵

Ishadow / PIXTA(ピクスタ)

女子バレーボールの中心選手として活躍した木村沙織が、3月22日に所属チームの練習場で現役引退の記者会見を開いた。

「以前ほど負けて悔しい気持ちがなくなりました。アスリートである限り勝負にこだわらなければならないと思いました」

木村は2004年のアテネ五輪の出場で、女子バレーボール史上最年少の17歳で五輪出場を果たすと、同五輪から4大会連続で五輪のコートに立った。ロンドン五輪では、日本の28年ぶりの銅メダル獲得に貢献し、去年のリオジャネイロ五輪でキャプテンを務めた。

この木村の引退で、再び注目を集めているのが、かつて“プリンセス・メグ”と呼ばれ活躍した栗原恵だ。

「女子バレーボールの世界では、30代の現役選手が本当に少なくなりました。栗原のように、必要とされる限りとことんまで現役を続けるという姿勢は、木村とはまさに対照的です。どちらがいいという話ではなく、木村が実力の衰える前に辞めたことで、栗原に注目が集まり始めました」(体協詰め記者)

栗原といえば木村よりもひと足先に注目された選手だ。19歳だった2003年のワールドカップで活躍し、同級生の大山加奈とともに“メグカナ”と呼ばれて人気を博した。2004年アテネ五輪、2008年北京五輪と2大会連続の五輪出場も果たすが、2012年のロンドン五輪で代表選手選考から落選。その後は怪我に苦しみ、故障と復帰を繰り返すことが多くなって、思うように活躍はできていなかった。

 

多くの怪我を乗り越えて「成長」したベテラン

「これまでは怪我が多かったですが、昨シーズンの中盤あたりから復調の兆しが見え始めました」(同・記者)

スタメンで試合出場することはほとんどなくなったが、主力選手の故障やアクシデントがあると、本来とは違うポジションでも出場するようになった。味方選手を引き立てるためにパスをつなぎ、アタッカーのための“おとり役”もこなす。自身がアタックを打つときは堅実に決める。ベテランらしい幅の広い起用のできる選手へ成長した。

「怪我と復帰を繰り返していたため、心が折れたときもあったでしょう。しかし、好きなバレーを続ける苦しみも知り、バレーを続けることのできる喜びを知って、とことんやってやろうと考えるようになりました」(所属チーム関係者)

年齢とともに後輩に譲らなければならない場面も出てきた現状に不満を抱き、移籍を考えたこともあったという。だが、“期待される役割を”という責任感が勝り、現在に至った。

「所属する日立リヴァーレの松田明彦監督は『全盛期に近い』と評していました」(同・関係者)

ベテランになれば背負うものも多くなり、難しい役どころも強いられる。それを乗り越える達成感が、いまの栗原の喜びになっているという。木村のように潔く引退する選択にも勇気がいるが、現役を続けることにも困難は多い。

木村の引退によって女子バレーボール界が揺れていた今年1月、栗原は通算230試合出場を果たし、Vリーグ栄誉賞の資格を得た。栗原の現役はどこまで続くだろうか。

 

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