映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『木屋町DARUMA』

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両手両足のないヤクザを遠藤憲一がリミットなしの熱演!

『木屋町DARUMA』
ファミリーツリー=アークエンチャテインメント配給/渋谷シネパレスほかで10月3日より公開
監督/榊英雄
出演/遠藤憲一ほか

映画館の暗闇で何を観たいのか? それが問題だ。お茶の間テレビ、DVD鑑賞、それも結構。しかし、映画館の暗闇に“観てはいけないものを観た”的な刺激を求めるなら、この作品はうって付け。

何しろ、主人公の設定が両手両足のないヤクザなのだ。身障者の扱いにも、反社会勢力構成員(要するにヤー様)の扱いにも神経を使わなければならない御時世だけに、ダブルでヤバい。現状の日本映画の自主規制的倫理規定を軽く飛び越えている。

主演がテレビ、CMでも知名度抜群の個性派俳優、遠藤憲一。その“怖い顔”が、取り立て人として負債者の家に押しかけ、四肢を失った文字通りダルマのような姿で、這いずり回り、時には糞尿まみれになり、不気味で卑屈な笑いとともに無理難題をふっかける。それだけで凄すぎる。テレビ、CMとは違う顔の遠藤憲一のリミットなしの熱演(“凄演”と呼んでもいい)に圧倒されるに違いない。