彼の名はホシ。アメリカのワシントン州スポケーンの愛犬家ポーリン・ペレスさんに、10年以上も飼われているエスキモー犬だ。
一見普通に見えるが実は重度の緑内障を患い眼圧がとても高く、常に耐え難い痛みにさらされ、視力が大幅に低下して、通常なら日常生活も困難な状態となる。
しかしホシには強い味方が居るのだ。
■重度の疾患を抱える大親友ゼン
こちらがホシの大親友であるポメラニアンのゼンだ。彼はホシがまだ少し目の見える時に、保護施設からこの家へ貰われてきて、以来2人はすっかり仲良くなった。
ゼンはもともと野良犬で、保護された時は心臓や気管支、そして肺に重い疾患を抱え、日常的に特別な看護が必要な犬だった。
しかしポーリン氏はこの愛くるしい表情に「一目ぼれ」してしまい、手間が掛かるのを承知で彼を家に迎え入れる。
そしてゼンが来て半年後……
■ホシは眼球の摘出手術を受けた
この時ホシは11歳とかなり高齢だったが、手術は無事成功する。
本当に痛々しい姿……しかし彼は目を失った代わりに、高い眼圧による苦痛から解放される事となり、飼い主のポーリンさんも、これでホッと一安心する。
しかしもっと喜んだのはゼンだった。
■ゼンがホシを先導し始める
手術の直後、目が見えないことで不安そうな素振りを見せるホシだったが、そんなホシの傍には、いつもゼンが寄り添っていたという。
そして散歩に出られるようになると、ホシとゼンは一本のリードで結ばれ、ホシを励ますかの様にゼンが率先して「先導役」を務め、うしろ振り向きながら前を歩いて行くではないか。
もはやゼンはホシの目であり、ホシもそれが分かっているのか、全盲になった後はゼンのそばから全く離れようとせず、2人で仲良く寝ることが多くなったそうだ。
■お互いを支え合う2匹の犬
生まれも育ちも違う彼らは「偶然出会った」のだろうか?それとも不思議な力が「2人を引き合わせた」のだろうか?
言い忘れていたが、ゼンがホシを一方的に支えている訳ではない。
ホシもまた先輩犬として、家に来たばかりの心細いゼンに優しく接し、彼の緊張を解きほぐしながら快く迎え入れた経緯があり、だからこそ2人は「深い絆で結ばれた」とも言えるのだ。
目が見えなくても、重い持病を抱えていても、それを分かち合う仲間さえ居れば「幸せ」になれる。
今回はそんな事を2人に教えられた気がした。
【参考】
※ THE ADVENTURES OF zen & hoshi
【画像】
【あわせて読みたい】