満島ひかり“完脱ぎ”映画『海辺の生と死』~痩身の肢体が眩しい決意のフルヌード!

海辺の生と死

作品目『海辺の生と死』
フルモテルモ、スターサンズ 2017年 DVD発売中
監督/越川道夫
出演/満島ひかり、永山絢斗、井之脇海、秦瀬生良、川瀬陽太ほか

最近は映画はもとよりテレビドラマもご無沙汰で、ビールやお茶のCMで見掛ける程度の人気女優・満島ひかりだが、近年のドラマ作りに嫌気が差して充電中とのウワサもあって気になるところ。鹿児島生まれ、沖縄育ちのエキゾチックな雰囲気を醸し、『愛のむきだし』(09年)や『駆込み女と駆出し男』(15年)などでも注目されたが、一番の衝撃はこの映画での〝覚悟の完全フルヌード〟だろう。原作は島尾ミホの同名小説に、夫の著名小説家・島尾敏雄の『島の果て』など複数の小説。ミホが太平洋戦争末期、奄美群島・加計呂麻島で、後に夫となる島尾との出会いに基づいている。

終戦間際、南の島の国民学校で代用教員を務めるトエ(満島ひかり)は、秘密裏に作られた特攻兵器『震洋』の基地の指揮官・朔中尉(永山絢斗)と知り合う。特攻艇の出撃をジリジリと待つ男と、彼と一緒にいたいと願う女との時が過ぎるが、やがて中尉の部下が特攻命令が出たとトエに伝えてくる。彼女は中尉への手紙を部下に託し、自分も意を決してある行動に…。

 

アンチ巨乳派も大満足

最大の見せ場は、まだ未明の庭に出て、衣服を脱ぎ捨て、薄暗がりの中で見せる水ごりシーン。一糸まとわぬ生まれたままの姿を真正面からさらしてくれる。薄暗がりの中、ぽっかりと浮かび上がる神々しいまでの裸身は、〝巨乳〟というより〝美微乳〟だ。両乳房の頂点に存在する乳首も乳輪も大きくなく、女の香りが息づく。それは南国女性特有の小麦色の肌、痩身の肢体、濃いめの美貌とマッチし、アンチ巨乳派を満足させるに十分な逸品であった。

さらに手桶で水瓶から何度も何度も水を汲み、自らの裸身を勢いよく流す。この間、約数十秒、カメラは据えっぱなし。渾身のヌード・シーンであった。彼女は、映画専門誌で、「吹き替えは嫌いです。たとえ足だけでも自分の役を違う人がやるのは…」と答えている。脱ぐときは潔くすべてさらけ出す覚悟アリ。胸が小さいことを気にしているのか、「でも、胸が大きい設定のヌードだったらどうしよう」とも語っていた。いやいや、巨乳だけがオッパイじゃありませんぞ。今回のはかなげな小ぶりの乳房は、『寒椿』(92年)の南野陽子に匹敵するほど〝美微乳ヌード〟の極致といえる。

この水ごりシーンとともに、クライマックス、砂浜でのたうちまわる狂気をはらんだ演技も見逃せない。彼女の〝♪やっぱりフライング!〟のビールのCMがボクは大好きだが、そろそろドラマ、映画に復活し、また〝熱演〟を見せてほしいと願うばかりである。

(映画評論家・秋本鉄次)

 

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