
northsan / PIXTA(ピクスタ)
広告代理店の電通で新入社員だった高橋まつりさん(当時24)が、過労自殺に追い込まれたのは昨年末のことだ。
労災認定された9月以降は電通への強制捜査にまで発展するなど、騒動は日を追うごとに大きくなっている。これに伴い報道も加熱。いまだにその熱は冷める様子がない。
「国内最大の広告代理店企業で起こり、東大出身という輝かしい経歴の社員、そしてタイムリーな現代の社会問題が背景にある事件です。メディアが大きく報じる条件が整っています」(週刊誌記者)
勤務問題を原因とした昨年の自殺者は、警視庁の調べによると2,159名にも及ぶ。もちろん遺族が公表したことも大きいが、これほどまでに高橋さんの自殺が大きく取り上げられるのはなぜだろうか。
「まず女性であること、さらに東大出身者であることが注目される理由でしょう。勤務問題を原因とする自殺者の約9割は男性で、女性はまれなケースです。しかも事務処理能力がトップクラスとされる東大の出身者を自殺にまで追い込むのですから、どんな職場環境で何があったのか、関心が高いでしょう」(同・記者)
高橋さんは、電通でインターネット広告を担当する部署に所属し、多忙を極めていた。自身のツイッターのつぶやきには、1日の睡眠時間が2時間であったり、勤務時間が20時間にも及んだ苦しみを打ち明けている。
さらにツイッターには《部長「君の残業時間の20時間は会社にとって無駄」「会議中に眠そうな顔をするのは管理ができていない」「髪ボサボサ、目が充血したまま出勤するな」「今の業務量で辛いのはキャパがなさすぎる」わたし「充血もだめなの?」》、《男性上司から女子力がないだのなんだのと言われるの、笑いを取るためのいじりだとしても我慢の限界である。》などと残し、パワハラとも取れる言葉を上司から受けていたことがうかがえる。
「もし東大出身者が1日20時間かかっても終わらない仕事が毎日のようにあるとしたら、それはもう上司からの嫌がらせ、しごき、相撲界で問題になった“かわいがり”といった部類のものです。早急に仕事量を減らすか、増員する必要があります」(企業コンサルタント)
上司との信頼関係も全く構築されていなかったようだ。
「長時間勤務以上に、上司からのパワハラの方が堪えた可能性があります。東大合格のために勉強に打ち込める東大生ですから、デスクワークは心の負担になる可能性は低いかもしれません。しかし、仕事は入試のように期間的なゴールが見えない。先が見えない上、そこへパワハラが加わり絶望的だったのではないでしょうか」(東大関係者)
彼女の死が無駄にならないことを願うばかりだ。
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