コロナ禍で爆売れ! 70年前の長編小説が話題になるも“落とし穴”が…

(C)Dean Drobot / Shutterstock 

新型コロナウイルスの感染拡大が、思わぬベストセラーを生んでいる。

感染症・ペストで封鎖された街を描く小説『ペスト』が、『オリコン上半期〝本〟ランキング2020』の文庫ランキングで6位にランクインした。同作はフランスのノーベル文学賞作家アルベール・カミュが1947年に発表した長編小説。1940年代のアルジェリア・オラン市で伝染病・ペストが発生し、市民たちの人間性が蝕まれていく様子が描かれている。

「現在流通している和訳版は1969年に発行されたものだとみられています。歴史的な名著ですが、原書は70年以上前ですから、ここ数年は大きく動くことはありませんでした。しかし、新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた2月ごろから売り上げが急増し、全国の書店で品切れが続出。版元の新潮社は急きょ3万4000部を増刷しましたが、いまだ入手できない人もいるようです」(出版取次関係者)

実際に『ペスト』を読んだ人たちからは、

《まさに今、読むべき本。時代は違うけど多くの教訓があった》
《コロナの影響で売れていると聞いて買ってみた。感染症と闘う医師の姿を読んで、今も頑張っている医療従事者への感謝の気持ちを持った》
《コロナがなかったら絶対読まなかっただろうな。ちょっと小難しいんだけど、ぜひ、みんなにも読んでほしい》
《どう闘い、どう生きていけばよいか考えさせられた》

など、現在の状況と重ね合わせている人が多いようだ。

 

日本人の“活字離れ”を象徴!?

これだけ大きな話題になっていれば、読んでみたいと思う人も多いだろう。しかし、同作はちょっとした〝落とし穴〟に注意が必要なようだ。人によっては途中で投げ出してしまう可能性があるという。

「大絶賛の裏で、途中で読むのをやめてしまった人が思いの外います。というのも海外の古典名作は、読みづらいと感じる人も多いのです。とにかく直訳が多くて内容にも観念的な部分もあり、人によってはかなり難解に感じてしまうのでしょう。歴史的な1冊なのですが、最近のSNS文章に慣れた人の中には、つまらないと感じてしまう人も多いようですね」(大手書店販売員)

実際にアマゾンのレビューをのぞいてみると、

《何を描きたいのかさっぱり分からなかった》
《翻訳が下手くそで、何を言いたいのか分かりません》
《翻訳だからしょうがないけど、文言がカタいし、文脈の不自然さが目立ち過ぎです》
《全く意味が分かりませんでした。本好きですが、本作は日本語の意味も分からず、読了せず久しぶりに途中断念し、古本屋へ売りました》

などといった、マイナス評価の書き込みも見られる。

歴史的な名著の場合、その作品が書かれた背景を知ることも大事な要素の1つ。『ペスト』のような名著を読了できない人が多いことは、日本人の〝活字離れ〟を象徴しているのかもしれない。

 

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