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ある週刊誌が、親の非常識な振る舞いを取り上げた記事を掲載し、波紋を呼んでいる。
ある小学校の運動会でのことだ。徒競走で自分の子供がスタートに遅れたため、母親が「スタートをやり直せ」と競技のやり直しを要求したのだという。しかも、この件はこれだけでは収まらない。着順が納得のいかない父親は、「ビデオ判定しろ」と教員に詰め寄ったのだという。両親からの二重の攻撃に教員も困惑したそうだ。
「一時期『モンスターペアレンツ』という言葉がしきりに使われましたが、最近になって聞かなくなりました。それは現在、保護者がモンスターであることが一般化しているからです。非常識が常識になっている時代なのです」(教育ライター)
このような背景もあってか、近年は小学校教員の志望者が激減している。公立中学、高校教員の倍率が7.2倍なのに対し、公立の小学校教員は3.9倍とかなり低い状態となっている。
「公立小学校には多種多様な家庭環境で育った子供たちが入学してきます。授業とともにしつけの部分も担わされるうえ、一方でモラルや感覚の異なる保護者から、さまざまな無理難題を押し付けられるので、心の病にかかってしまう人も珍しくありません。私立校の教員になればよかったという声はよく聞きます。私立であれば、子供の学力もある程度まとまっていて、保護者の経済力や常識も似ているため、指導がしやすいのです」(同・ライター)
小学校のころから身勝手な振る舞いをしてきた親と子供は、将来どのように成長していくのだろうか。
「かなり偏差値の高い大学でも、昔は1年間の通年講義が当たり前でしたが、現在は前期と後期で同じ講義を行います。1年間を通しで授業を受けるのは苦痛だという、親のクレームがあったので変更となりました。講義中も女子学生の化粧や飲食も当たり前の光景ですね」(大学教員)
大学も少子化を受けて全入時代を迎え、悲惨な状況に陥っているのだ。大学側も学生確保のため、不条理なことも受け入れなければならなくなっている。
疲弊してしまった教員。もう誰もモンスターペアレンツを止めることはできないだろう。
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