アナタの会社は大丈夫? 日本企業に蔓延する「悪しき因習」4つ

aijiro / PIXTA(ピクスタ)

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良い企業で働きたい。これはみんなが等しく思うことだ。しかし現実は中々に厳しく、例えば残業で定時に帰れない。嫌味な上司がいる。この辺りは程度の差こそあれどこの会社でもあるかもしれない。

だが、下記に列挙してゆく”日本企業の悪しき因習”が当てはまる企業となるといかがだろうか?

職場の掃除やお茶くみが女性社員の義務

50年ぐらい前はごく当たり前のことだったかもしれないが、男女同権が進んだ現代において、お茶くみや掃除を女性に強いる会社というのは”時代錯誤も甚だしい”との評価を免れない。

しかし、統計をみると……

「お茶くみ、掃除は女性の仕事」という考えは「少しある」と「かなりある」を合計すると55.5%となり、「ない」の43.6%を上回っている。特に、金融・保険業では67.6%が「少しある」、「かなりある」としている。(2004年21世紀職業財団調べ )

このように、実はお茶くみ・掃除を女性の仕事を考えている人はまだまだ多いのである。いまの常識は、「自分のお茶は自分で淹れるべきだ」というのが一般的かと思いきや、必ずしもこの考えが浸透しているとは言えないようだ。

職場の掃除は当番を決め、業務時間内にやるもので、少なくとも女性に押し付けられるべきではないだろう。

忘年会には強制参加

これから忘年会のシーズンの只中だが、忘年会参加を”暗黙の了解”としている会社が、いまも多いと聞く。

しかし忘年会はお酒が苦手な人にとって、かなり憂鬱なことなのだ。2013年にインテージ社が行った”忘年会についての意識調査”によれば、会社の忘年会を「たぶん参加しない+参加しない」と回答した人が全体の26.3%、最も参加意向が低いのは女性30代で40.0%だった。

やはり、女性には乗り気ではない人が多いようだ。しかしこのことを「わがままだ」と責めることは難しい。

忘年会は、社員間の親睦や団結を深めるために「飲んでワイワイやろう」といったコンセプトで行われているもので、飲めない人の事をあまり考慮していない場合が多い。働き方やライフスタイルが多様化した現代でも同じことを続けているようでは、ナンセンスと言われてしまうのも致し方ないからだ。

また、忘年会の席で若い女性社員が酔った上司に呼ばれ、ホステス代わりに横へ座らされ「おまえ、酌をしろ」なんて言われることもあるという。こんなのはセクハラに該当し、「目を覚ましなさい!」と横っ面を引っ叩かれてもおかしくない。

有給休暇は極力与えない&取らせない

休暇に関しては大変シビアだ。3,000人の労働者を対象にした連合のアンケ-トによると……
年次有給休暇取得日数が「0日(付与されていない)」で27.8%、「10日~14日」で19.7%、「20日~24日」では21.0%となり、平均日数(0日含む)13.5日(2014年連合調べ)とある。なんと日本では1年間一度も有給休暇が取れない会社が三割近くもあるというのだ。
これも諸外国では理解されがたい話である。平均13.5日というのも、月に1日程度と考えると少なく思える。いかに日本の労働環境が劣悪なのかを物語る結果であり、じつに嘆かわしい。

パワハラや性差別が常態化

もうこの辺りにくると、ダメな会社というよりは“ブラック企業”と言ったほうがよい。統計によれば、パワハラ・セクハラ被害者は女性が圧倒的に多い。自治体で働く女性のうち約7割が「婚姻や出産や年齢により、『女の子』『おくさん』『おばさん』『おかあさん』などと呼び方を変えられたという(独立行政法人 労働政策研究・研修機構調べ)。
それどころか、「何だ、その太い足は」「デブはクビだ」「お前がスカートなんて信じられない」などと罵倒されるケースもあるという。こういったことが横行している企業は、存在価値が疑われるだろう。
本人の同意なしに姓ではなく名前で呼んだり、容姿についてとやかく言うことで精神的苦痛を与える行為は『ジェンダー・ハラスメント』と呼ばれ、場合によれば訴訟に発展する。このことは誰もが覚えておく必要がある。
ともあれ”昭和の悪しき因習”を引きずる企業はこの日本に不要であり、諸外国との格差を考えても、早急に是正すべきだろう。
これからは若い世代が委縮せず、年長世代へドンドン物申す時代が、もう来ているのかも知れず、逆にそれが出来るようになれば、日本の企業風土は”もっと風通しがよくなるはず”である。