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昨年4月、暴走運転によって多くの死傷者を出し、世間を震撼させた〝池袋暴走事故〟。その罪に問われた旧通産省工業技術院の元院長・飯塚幸三被告の初公判が、10月8日に開かれた。ところが、飯塚被告が予想だにしない主張を繰り出し、ネット上では非難の声だけが、とてつもなく殺到している。
弁護士に車椅子を押され、スーツ姿で入廷した飯塚被告。当然だが初公判の冒頭で遺族らに謝罪するも、その後、驚くことに「アクセルペダルを踏み続けたことはないと記憶しており、車に何らかの異常が起きたと思います」と自身には非がないと言わんばかりの口ぶりで無罪を主張。また、弁護人も飯塚被告の過失を否定し、あくまで〝車の異常〟を押し通したという。
一方で初公判後には、事故で妻子を亡くした松永拓也氏の記者会見も。松永氏は飯塚被告の無罪主張に、「車の不具合を主張するなら謝ってほしくなかった。2人の命と遺族の無念に向き合っているとは思えなかった」と悔し涙を飲んでいた。
上級国民ならではの逃げ方?
死傷者を出しておいて、〝車の不具合〟を理由に無罪を主張した飯塚被告に対し、さすがに国民の怒りが大爆発。飯塚被告は過去にも「安全な車を開発するようにメーカーの方に心がけていただき…」と車のせいにしていたが、一連の主張にネット上では、
《まだ車の異常が原因とか抜かして無罪主張してんのか、ふざけんなよ。絶対この事故だけは風化させてはいけない》
《人を2人も殺した自覚ないの?》
《遺族の気持ちを思うと本当に悲しくなる。人間の心を持たない老人》
《「私は悪くない、車のせい」という主張は、ご遺族の感情を考えると極めて胸糞悪くて残念》
《こんなのがまかり通ったら、これからの事故は全部車のせいにすればいい。高齢とか上級国民とかは関係ない。裁きを受け入れろ》
《こいつ自分が何したか分かってるのか?》
《残されたご遺族の悲痛を考えると胸が痛む》
《上級国民だから、一般国民の命なんて気にしないんでしょう》
《マトモな人なら、車の不具合での事故でさえ、自分が人を殺したって認識を持つはずなんだよな》
などのような激怒する声が後を絶たない。ネット上で非常に大きな話題になっているにも関わらず、もちろん、飯塚被告をフォローする声はひとつも見受けられなかった。
「同じ高齢者ドライバーによる事故でも、2018年に群馬で起こった〝女子高生死傷事故〟の被告は、飯塚被告と全く別の行動を取っています。この被告は一審・前橋地裁判決で無罪とされましたが、東京高裁の控訴審では自ら有罪を主張。被告の親族たちが『被害者に申し訳ない』と訴えたため、罪を認めるという異例の展開が繰り広げられました。飯塚被告にも彼と同じように〝人としての感情〟を持ち合わせてほしいものです」(報道記者)
ちなみに飯塚被告が乗っていた車はトヨタのプリウス。《TOYOTAにも喧嘩を売っていくクソスタイル》という声もあるが、車の異常に争点を置くとなると、裁判は長引くことになりそうだ。
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