“完脱ぎ”に父・水谷豊も激怒!?映画『生きているだけで、愛。』~夜景映えする趣里の乳首

作品目『生きているだけで、愛。』
クロックワークス 2018年 DVD発売中
監督/関根光才
出演/趣里、菅田将暉、仲里依紗ほか

この秋もテレビ朝日系『相棒』シリーズの新章が始まるが、記者役でレギュラー出演していた芦名星の〝在りし日の姿〟を目に焼き付けておきたい。さて、この『相棒』の不動の顔はもちろん、杉下右京こと水谷豊。彼の愛娘は女優の趣里で、その代表作の1本がコレだが、果敢に〝全裸〟に挑んだため、父親が激怒したとも報じられた。そのあたりを念頭に置いて見ると興趣が増すのでは?

躁鬱を繰り返し〝生きているだけで、疲れる〟人生を送ってきて、過眠症で引きこもり気味の寧子(趣里)には、ゴシップ雑誌の編集者の津奈木(菅田将暉)という恋人がおり、同棲している。情緒不安定な彼女は、時には彼に怒りをぶつけたりもしていた。そんなある日、寧子の前に津奈木の元カノの安堂(仲里依紗)が突然現れ、津奈木とヨリを戻すため、寧子を部屋から追い出そうとする…。

冒頭の〝パパの怒り〟の真相はともかく、趣里は本谷有希子の原作および脚本を読むなり「演じたい!」と手を挙げたそうで、この、時には相当エキセントリックなヒロインに思い入れたそうだから〝裸〟も辞さない覚悟だったのだろう。女優として、その意気やヨシ。

真正面から見せた鮮烈なヌード

クライマックスの屋上シーンで、菅田がやっと見つけた趣里は突然全裸で、手摺りに寄りかかってノケ反りポーズを取っている。スレンダーな裸身に目立つ乳首がツンと上向き、夜景に映える!「あんたは、こんな面倒クサい女をやり過ごしているだけよ」と心情吐露する彼女。「ここで全裸じゃなくちゃだめなの?」と裸身に上着をかけ、取り繕おうとする彼に「裸でなきゃダメだわ」とこだわり、涙ながらに訴える。2人の長いやり取りが続き、彼女の名セリフがここで一発。「あたしはさ、あたしと別れられないんだよね、一生。いいなあ…津奈木。あたしと別れられて」…シミる。

自分を持て余しているのは重々承知で他者にストレスをぶつけてゆく厄介なヒロインだが、大粒の瞳と肉厚な唇を持つ趣里が演じることによって、トゥー・マッチながらも、どこか許容できる存在にも映るのが何より。だから前出の鮮烈なヌードが重要で、マイルドにごまかさず、真正面から見せたからこそ、この取扱注意のヒロインの設定が生きるのだ。関根監督の言葉を借りるなら、まさに〝彼女の剥き出しの人間性〟というヤツ。

さて、この作品以降、活躍が目立たない趣里だが、まさか父に厳命されて〝謹慎中〟なんじゃないだろうね?

(映画評論家・秋本鉄次)

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