女の情念がさいたまの空を焼き焦がすかもしれない――。
11月15日、『第1回さいたま国際マラソン』が開催される。来年夏のリオデジャネイロ五輪の女子マラソン選手の選考会を兼ねているが、注目の田中智美(27)は出場を見送るようだ。
さいたま国際マラソンは、『横浜国際女子マラソン』を引き継いだもの。昨年、財政難を理由に終了が決まり、同時期にハーフマラソン大会を開いていた埼玉県が代替したのである。
「横浜国際の最後の優勝選手である田中智美が出るかどうか、注目されていました。招待選手にも選ばれず、リオ五輪出場を目指すのであれば、来年1月の大阪国際女子マラソンで“一発勝負”を掛けてくるのではないか」(専門誌記者)
田中は「悲劇の女子マラソン選手」と目されている。今夏の世界陸上の出場選手選考でのことだ。候補選手の中で唯一、優勝の冠を持っていたため、大多数が「田中の世界陸上当確」を予想したが、落選したからだ。
タイムだけなら、確かに他候補のほうが速かったが、「優勝とタイムのどちらを優先するのか、選考基準を選手に伝えるべき」とするクレームも殺到した。
最後の横浜国際も11月だった。同じ11月のさいたま国際で田中がリベンジを、と思われていたが、「さいたまでのレースは、全選手にとって初めてとなります。田中を含め、リオ五輪出場の可能性が高い候補選手たちは警戒して避けたようですね」(前出・専門誌記者)