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現代は『YouTube』をはじめとして、数々の動画サイトが覇権をめぐって争う群雄割拠の時代。ネット上では、かつて一世を風靡した『ニコニコ動画』の「オワコン化」を指摘する声が上がっているようだ。
「ニコニコ動画」は、2006年に開設された動画サイト。古くから独自の文化圏が広がっており、米津玄師などの才能を生み出したボーカロイド文化や「歌い手」文化、「ゲーム実況」といったネットコンテンツの発信地としても知られていた。
「同サイトの人気は、全盛期と比べると大きく衰退しているようです。たとえばコアなユーザーが登録する『プレミアム会員』の数は、2016年9月末の256万人をピークとしてひたすら右肩下がりに。今年6月末には161万人にまで落ち込んでおり、どこで底を打つのか分からない状況です。また、昨年7月にドワンゴが運営していた池袋の『ニコニコ本社』と六本木の『ニコファーレ』が営業終了したことも〝時代の終わり〟を感じさせますね」(カルチャー誌ライター)
最近では「ニコニコ動画」をスマートフォンで見るための非公式アプリ『SmilePlayer2』の公開停止が予告され、多くのユーザーを動揺させることに。ユーザーの間では「公式アプリは使い勝手が悪い」という共通見解があるようで、SNSなどでは、
《SmilePlayer2公開停止予定ってマジか…。公式アプリは使いたくないし、ニコニコ見ることもなくなりそうだな》
《非公式アプリを潰す前に、公式アプリの使いにくさをどうにかせーや。ニコニコ観る頻度さらに減るな》
《あ~ニコ動の公式アプリ使えって? 無理無理あんなのストレス溜まるから見なくなるだけだよ》
《SmilePlayer2は、昔からめちゃくちゃ便利に使えた神アプリだった。これが公開停止になったら、二度とスマホでニコニコ見なくなりそう》
《ずっと惰性でプレミアム続けてて先月一般に戻ったけど、めちゃくちゃ不便。公式のアプリは最悪だし、もう終わりだね》
などの声が上がっている。
「オワコン」と呼ばれ続けて約10年…
「ニコニコ動画」の時代を終わったものとする風潮は、10年以上前から存在したようだ。ドワンゴ専務取締役COO兼『niconico』運営代表の栗田穣崇氏は、今年5月に自身のツイッターを更新。《ニコニコがオワコンと言われはじめたのは2008年からという事実はもう少し広く知られてほしい。オワコン界ではわりと老舗です》というメッセージを投稿していた。
「『ニコニコ動画』は、これまで何度も仕様変更を繰り返しています。その中にはユーザーにとって理解できない変更もあり、反発するユーザーから『オワコン』と呼ばれてきました。しかし、運営陣はそのような批判をスルーし、ほとんどサイトに反映しないまま現在に至っています。ユーザーの意見を軽視する態度こそ、サイトが衰退した大きな要因だった…という見方もできるかもしれません」(同・ライター)
栗田氏の発言をきっかけとして、ネット上では運営陣への不信感が噴出することに。
《ユーザーの意見を無視し続け、全然改善しないのはどういう了見なんだろう?》
《ニコニコがまだなんとかもってるのは、運営じゃなくて一部のユーザーのおかげだといい加減認めてほしい》
《これだけ存続してほしい、復活してほしいと願うのに運営が真逆を走るサービスも珍しい》
《先行者利益を得る機会をかなぐり捨てて、改悪に次ぐ改悪を繰り返してきたのにまだサイトが残ってるのはすごい》
など、さまざまな意見が巻き起こっていた。
「ニコニコ動画」は今度こそ「オワコン」となるのか、それともしぶとく生き残るのか。今後の趨勢を見守っていきたい。
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