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「年明け早々の2月か…」などと、永田町では次の選挙についての囁きが聞こえている。
世界に目を向けてみると、日本の国政選挙は欧米に比べて格段に多い。日本は戦後70年間に衆議院と参議院で合わせて50回も選挙が行われているが、これはアメリカ35回、フランス29回、イギリス19回、ドイツ18回などを大きく引き離している。
「ドイツは第二次世界大戦前に短命な政権が続いて不安定になり、その隙を突いてナチスが台頭しました。その反省から、解散しにくい制度に改編したのです。イギリスの場合は、下院はもともと任期が5年と長い。加えて11年に事実上、解散をしない『議会任期固定法』という制度を成立させ、総選挙を5年ごと、5月の第一木曜日に行うことを定めています。例外として内閣不信任案が可決された場合は解散できますが、それ以外はできないことになっているのです」(政治アナリスト)
海外には選挙を乱発しないセーフティーネットがあるようだ。
選挙を実施するにあたり、莫大な税金が投入されることになるが、その税金の使い道も精査しなければならない。選挙投票日に事務に従事する公務員の手当は、自治体によって多少異なるが、おおよそが3万円前後。これに昼食、夜食が付く。
「投票に来た人と選挙人名簿を照らし合わせ、チェックし、投票用紙を渡す。そして開票後は投票用紙を分けて数えるだけ。楽に見えるかもしれませんが、ほぼ一日中座っているので結構苦痛です」(公務員OB)
これも選挙に必要な人員なのかもしれないが、これほどの経費を掛ける必要があるのかは、別の話だ。
一方、選挙期間中、全国ネットで流れる政党のテレビCMは、1本15秒で300万円程度に及ぶ。また、党首討論や選挙特番などのCM枠は高値で埋まる。不況でスポンサーが付かない昨今、選挙は取り損ねることのない書き入れどきとなる。過去の国政選挙で某民放テレビ局は400億円を懐にした。
広告業界や新聞業界も負けてはいない。選挙広告の掲載料(9.6cm×2段)は、東京都のケースで読売新聞が約220万円、朝日新聞は約160万円と各社によって違う。公選法では小選挙区の候補者1人につき、5回の新聞広告、政党も比例代表候補の人数に応じた分量の新聞広告が税金から拠出される。新聞社にとって大きな収入源となっていることは間違えなく、いつも選挙をたき付ける理由に取れなくもない。
国民の代表者を選び、民意を問うという民主主義の原点となる選挙は、いつの間にか荒稼ぎのできる一大イベントとなってしまった。
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