この2年間、インターネットを騒がせてきた“800年前の携帯電話”の真相が明らかになった。
2015年9月にオーストリアのザルツブルグ、フシュル・アム・ゼーにある遺跡発掘現場から、携帯電話のようなものが出土されたとして話題になった。13世紀の地層にあった遺跡であっただけに、800年前に携帯電話があったのか!? と世界に衝撃が走った。
確かに一昔前の携帯電話のように、ディスプレーのようなものと12個の押しボタンのようなものがある。ボタンに刻まれた文字は楔形文字のようで解読不能。メカっぽさはなく、化石を彫って作ったかのようなものだ。
陰謀論者からは「楔形文字は紀元前3000年のシュメール文明のもの。シュメール文明で開発された携帯電話を、後世になって粘土でコピーしたものじゃないか?」、「シュメール文明はイラン・イラクあたり。オーストリアとは離れている。だったら地球に来たエイリアンが、その当時落としたものじゃないか?」などの声が出ていた。
一方でオカルトマニアは、「楔形文字は13世紀には伝わってなかったわけだから、シュメール時代にすでにタイムトラベル技術があって、タイムトラベラーが13世紀に落としたものじゃないか?」、「タイムトラベラーが持っていた携帯電話を見た当時の人が、石を彫って再現したんじゃないか?」と複雑な推測をしている。
ところが、この1月になって、イギリスのウェブメディア『エクスプレス』が真相を暴いた。「ドイツの芸術家カール・ワインガルトナーが作っ た芸術作品だった」と報じたのだ。
ワインガルトナー氏は「私がこの粘土の携帯電話という作品を作りました。ウェブにアップしたその画像が誰かに勝手にコピーされ、“エイリアンの携帯電話”として世界中に広がったんです」と明かす。
芸術作品を捏造オカルトに仕立てたのは誰か? 最初にこの画像をウェブメディアで扱ったのは『パラノーマル・クルーシブル』というサイトで、同サイトは「マリーという人物がユーチューブに『オーストリアで発掘されたエイリアンの電話だ』とアップしていました」と言う。さらにマリー氏をたどると、同氏は「芸術作品とは知りませんでした。私もネットの画像スレッドで拾っただけです」とコメントした。
ドイツの芸術家の粘土作品が、隣国オーストリアの土中から出土したことになるとは。まるで伝言ゲームのような結論だ。
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