電通過労自殺の影響で広告業界はどう変わった?

kou / PIXTA(ピクスタ)

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電通がブラック企業として世間にほぼ認知され、そのイメージは広告業界全体に波及しているようだ。その影響も広告業界に出ているという。

「電通社員の高橋まつりさん自殺が、過労によるものだということが発覚後、うちの会社では月100時間以上の残業は禁止というルールができました。そのおかげで残業代が減り、月給が2割も下がっています。住宅ローンもあるし、本当に困っている」(大手広告代理店社員)

なかでも電通の子会社や下請け会社の社員たちは、“困っている筆頭”だろう。

「残業が制限されても、クライアントの都合で徹夜作業になることもある。そのため、制作会社の仕事内容に極端な変化はありません。ただ、電通の社員は現在22時以降に音信不通になります。電通絡みの仕事だけを担当している系列会社の制作会社社員は、極端に労働時間が短縮されて、夜は早く帰るようになったようです」(PR会社社員)

デザイン会社なども、電通と仕事しているというだけで、労働基準監督署の査察を恐れ、おいそれと残業できないと嘆く。

「クライアントに電通さんがいるから、『おまえさんたちも違法に残業しているだろう』という視線で労基署から見られがちで、月に一度は調査という名目で監督官がやってくるようになりました。はっきり言っていい迷惑です。この仕事は会社に宿泊して仕上げていかないと間に合いません。みんな自宅に仕事を持ち帰っています。しかし、残業代は削られるわけです」(デザイン会社社員)

労働基準監督署と広告業界の会社は、形だけの査察や形だけの対応になっていると、業界に多数のクライアントを持つ社会保険労務士が言う。

「厚労省は違法残業を改めない企業の公表の基準を厳しくする方針を固めましたが、広告業界や出版業界など、昔でいう“3K”の業種には一定の効果しかないと思います。なぜならば、いままでに実際に公表されたのは1件のみなのです。厚労省は、平成27年の4~12月の間に4790件の違法残業を摘発しましたが、指導を行うまでにとどまっています」

さらに、こうした上っ面だけの指導では手ぬるいと指摘する。

「広告業界の過酷な労働条件は、早急に解決すべき課題ではありますが、特効薬がありません。違法な労働をさせる企業名を公表し、書類送検などが起きた企業の行政との契約の取り消しや入札資格の取り消しなど、制度面からの規制だけでは足りません。子会社との資本関係や、下請けまで労働実態の査察を拡大するなどの強化をするのが最優先なのではないでしょうか」(同・社会保険労務士)

学生たちも広告業界を就職先として敬遠するようになったという。かつての“コピー1行1000万円”といわれたバブルの時代は、遠い遠い昔の話だ。

 

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