スティーブン・キング原作の映画「セル」は期待以上のホラー作品

映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『セル』

プレシディオ配給/2月17日よりTOHOシネマズ六本木ほかで公開
監督/トッド・ウィリアムズ
出演/ジョン・キューザックほか

『キャリー』、『シャイニング』、『ミザリー』など、傑作な映画化作品もやたらと多い“ホラーの帝王”スティーブン・キングの原作とくれば、映画ファンには信頼の刻印がペタンと押されたようなもの。

今回は、ある日突然、携帯電話で通話中の人間が次々と暴徒化し世界中で大パニック、大殺戮が起こるという衝撃の設定だ。いまや、携帯電話の普及人口は世界で約60億人、総人口の80%が使っているとか。

そんな中、キングは“いずれ何らかの悪影響がなきゃオカシイ”との先見的視点から、2006年に執筆したのがこの原作だ。『セル』というタイトル(原題も)はズバリ携帯電話である。スマホだ、ラインだと進化し続けるなか、電子レンジだって、人体に大丈夫かよ、と思いながらおっかなびっくり使っているようなアナログ人間(ケータイだってガラケー止まりだぜ)の僕にとって、たとえフィクション、誇張とはいえ、この題材に説得力を感じてしまうね。

主演がごひいき男優ジョン・キューザック。『シュア・シング』(1985年)などの青春映画のころから、どこにでもいそうな“普通の人間”っぽさは、いまでも変わらない。空港で突然携帯電話で通話中の人々が“狂う”なか、たまたま充電切れで“狂わなかった”男を演じている。

離着陸中の旅客機が空港ターミナル・ビルに突っ込む大パニック・シーンはかなりのド迫力で、最初の“ツカミ”は抜かりない。そんな主人公が逃げ惑うなか、少数のまともな人物である地下鉄車掌役が、ベテランのサミュエル・L・ジャクソン。もう60代後半だけどこの人も元気だよなあ。そして、突然“狂った”母親を殺したという少女を“期待の新人”イザベル・ファーマンが演じている。この3名が、ボストンから北へ向かう“地獄道中”を味わうこととなる…。

一種のゾンビとも言える、この携帯電話で暴徒化した奴らは、何かの“パルス”によって操られており、夜になると思考停止し、退治方法は焼き殺すしかない、などの生態が徐々に分かってくる。だが、スティーブン・キングはかなり底意地が悪いので、そう簡単に画期的対策が編み出され、“一件落着”というわけにはいかない。このダークな世界観、世紀末感が、キングの世界の真骨頂といえよう。

ホラー物のヒット作『パラノーマル・アクティビティ2』も手掛けたウィリアムズ監督は「観客がこの映画について議論するだろう。皮肉にもツイッターやフェイスブックを使ってね」といたずらっぽく語っている。ホラー映画では昨年暮れの『ドント・ブリーズ』が掘り出し物だったが、本年最初の“拾い物”はこの映画だ!

 

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