のん主演「この世界の片隅に」の絶賛とは対照的なテレビ業界

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昨年11月12日から公開されたアニメーション映画『この世界の片隅に』(片渕須直監督)が、劇場も大幅に増えてロングラン上映中だ。今夏にはアメリカで公開されることも決まっている。

記録的な大ヒットとなっている同じアニメーション映画『君の名は。』の陰に隠れてしまっているが、この世界の片隅にの方が評価は上だ。雑誌『キネマ旬報』、『映画芸術』が共に実写作品ではなく、この作品を2016年度のベストワンに選んでいることを見てもそれがよく分かる。そして、見逃せないのが主役のすずの声優を務めたのんの存在だ。

すずは絵を描くことの大好きな少女だが、ユーモラスなところもあり、かつての朝の連続テレビ小説『あまちゃん』(NHK)の天野アキに通ずるキャラクターだ。そんなところもぴったりだったのか、久しぶりにのんならではの存在感を見せており、すずになりきって、表情豊かに演じている。

彼女でなかったら、戦時下を健気に生きる少女像は出せなかっただろう。

スタッフ全員、のんがこの役にふさわしいと思っていたそうで、彼女のプロの声優にはないナチュラルな面に惹かれたという。そして、すずの生きている感じをすべて出すべく、ガンマイク(離れた所から特定の音だけを拾いたいときに使うマイク)を使い、台詞がないところの細かい息遣いやニュアンスまで、音声として拾ったという。

名作となったのは、技術面でのこだわりも大きい。

のんにとっては、これが能年玲奈からの改名後、初の出演作品だった。独立を巡っての旧所属事務所とのゴタゴタは、いまだ解決に至っていないが、ひとまずいい再スタートを切れたと言っていいだろう。

実際に、少しずつだが映画出演のオファーが来ているという。本人もインタビューや対談の中で繰り返し、「映画をやりたい。コメディーをやっていきたい」と述べているから、その日が来るのも近そうだ。

ただし、テレビ出演の方はNHK以外は当分のあいだ難しそうである。この作品の宣伝を兼ねてTOKYO MXに出演する予定があったが、それすらどこからか圧力がかかり、かなわなかった。“タブーなき放送局”といわれるMXですらこうなのだから、あとは推して知るべしである。

ファンたちは「名前も奪ってしまうのかよ」、「いい加減、能年ちゃんを解放してやれよ」と旧所属事務所に猛烈な抗議をしているが、いまのところそれが功を奏したとは聞かない。この作品で、復活の兆しが見えてきたことは確かだが…。

(芸能ジャーナリスト・若月祐二)

 

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