スーツが売れなくなった紳士服量販店が編み出した「秘策」

ぺかまろ / PIXTA(ピクスタ)

「紳士服業界が、団塊の世代の定年退職により、限られた顧客を奪い合う構図が続き、既成スーツの売り上げが伸び悩んでいます」(繊維専門紙記者)

こういう事情もあり、紳士服量販店はいま“オーダーメード”に注力しているという。

紳士服販売業界首位の青山商事は、昨年2月から『ユニバーサルランゲージ メジャーズ』の店名で、スーツやシャツのオーダーを始め、現在は既存業態を含めた計17店舗でオーダースーツを展開している。

昨年10月には業界3位のコナカも参入、オーダースーツの新業態『ディファレンス』を南青山にオープンした。同社はオーダーの専門店を8店展開するが、過去5年で売上高が倍になったという。そのため、新業態を立ち上げ、最低価格が3.5万円というリーズナブルな価格設定で狼煙を上げた。また、2着目以降は注文から受け取りまで、すべてのスマートフォンのアプリで完結できるという、手軽なシステムを導入している。

トップの座を狙う業界2位のAOKIホールディングスは、運営する銀座店に昨年10月、オーダースーツ専用の『ザ テイラーショップ アオキ』をオープンさせた。最低価格は4.9万円からとなっており、生地によっては10万円以上することもある。本来のAOKIの価格から考えると、多少の割高感は否めないが、それだけこの事業に注力している表れといってもよいだろう。

「近年は、ビジネスカジュアルというスタイルが定着したことで、逆にスーツへの関心が高まりを見せつつあります。多少値が張っても自分だけの“勝負服”が欲しいという一点買いのニーズも生まれました」(同・記者)

ひと昔前は、オーダーメードのスーツは高級品というイメージだった。しかし、いまはさらにオーダースーツへの敷居を下げるものがある。それは“IT”だという。

「店に熟練のテーラーがいなくても、さまざまなスタイルを提案できるようになり、オーダースーツへのハードルが低くなったのです。店側にすれば、在庫がなくても展開でき、売り場効率が高いためメリットも大きいのです」(同・記者)

既存のオーダーメード専門店も低価格、高付加価値路線に転換を図り始めている。例えば東京と名古屋、大阪にある『グローバルスタイル』は、3.8万円からと価格がリーズナブルだけでなく、選べるスーツ生地は約5000種類以上と業界トップクラスの豊富さを誇る。加えて、イタリアやイギリスのブランド生地も豊富に揃っている。

スーツ人口の減少と若者のスーツ離れに歯止めをかけるべく、各社のオーダーメード商戦が熱い。

 

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