北朝鮮の「金王朝」が繰り返す血塗られた歴史

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暗殺された北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)氏の長男、漢率(ハンソル)氏は、金王朝の家系図から見れば“白頭の血統”で金日成主席から4代目の直系にあたる。したがって、庇護者である中国当局の身辺警護は厳重を極める。

金ファミリーの歴史は、まさに血塗られたものだ。

「そもそも、“白頭の血統”がうそで塗り固められているのです。日本統治の朝鮮半島の民族派(独立派)のあいだでは“金日成将軍伝説”がありました。彼の本名は金光瑞(キム・カンソ)といい、スターリンの大粛清で獄死しています。これを騙ったのが金日成です。当然のことながら、彼が初めて北朝鮮の民衆の前に姿を現したとき『若過ぎる』、『別人だ』という声が挙がったのです」(朝鮮半島ウオッチャー)

金日成は過去の清算と基盤固めのために南労党派、延安派、ソ連派などの政敵だけでなく、自らの親衛隊だった甲山派まで、かつての同志を次々と処刑している。

そのあとを受け継いだ金正日も、地盤を固めるために、継母の金聖愛(キム・ソンエ)とその息子で腹違いの弟である金平一(キム・ピョンイル)を権力の座から引きずり下ろし、叔父(金日成の実弟)の金英柱(キム・ヨンジュ)を地方に追放した。金平一は、長男と長女の誕生後に去勢されている。

正日の最初の妻とされる成恵琳(ソン・へリム)の甥の李韓永(イ・ハニョン)は、1982年に韓国へ亡命したが、1997年に北朝鮮工作員により拳銃で殺害された。この成恵琳の長男が、今回殺害された正男だ。

そして、現在の北朝鮮のトップである金正恩は、2013年12月に叔母の金敬姫(キム・ギョンヒ)の夫で、自らの後見人でもあった張成沢(チャン・ソンテク)元国防副委員長を、大型の機関銃で殺害している。もはや正恩が信頼するのは実妹の与正(ヨジョン)だけだ。実兄の正哲(ジョンチョル)さえ信頼していない。

金日成と正日の親子は、2代にわたって北朝鮮を66年間統治し、同国を“物乞いをする国家”に変貌させた。それでも、世襲を妨げるものを排除する残酷物語は、まだまだ続くに違いない。

 

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