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3月4日に行われた卓球のジャパントップ12大会で、石川佳純が3大会ぶり3度目の優勝を果たした。だが、この石川の周囲で、ある問題が起きている。
「1月の全日本選手権後に、5月開催の世界選手権の代表メンバーが発表されました。全日本の女子シングルスを16歳で制した平野美宇は、ダブルスと両方の代表に選ばれました。ここまでは予想通りだったのですが、平野のパートナーには長年ペアを組んできた伊藤美誠ではなく、石川が選ばれたのです」(体協詰め記者)
この決定を下したのは、リオデジャネイロ五輪後に女子の代表監督に就任した馬場美香氏だ。馬場監督は成長著しい平野が右利きであることを指して、「左利きの石川と組んだ方が、より速くて攻撃的な卓球ができるのではないか」と、新たなコンビ結成の理由を説明した。しかし、平野と伊藤は同級生で、5歳からペアを組んできている。馬場監督の言う東京五輪を見据えた構想ならば、まだ10代の平野と伊藤というコンビのままでよかったのではないかという意見もある。
「東京五輪は、石川を中心にした選手編成で戦うというメッセージが込められているのです。でも、リオ五輪で代表3人から外れた平野が全日本選手権を制するなど、若手選手は日増しに強くなっています。石川は東京五輪を27歳で迎えますが、もしかしたら平野や伊藤たちの世代が、石川の実力を上回る可能性もあるでしょう」(同・記者)
もっとも、馬場監督の構想を支持する声もないわけではない。卓球の団体戦を戦うのは3人。仮に石川、平野、伊藤で臨んだとする。ダブルスの選択肢が平野と伊藤だけでは攻略されやすい。平野が誰とでも組めるようになれば、相手に読まれにくい戦略がとれるメリットがある。
「いずれにせよ、いまの馬場監督は石川中心で東京五輪へ臨むつもりです。しかし、それまでの3年間で平野と伊藤以外の若手の実力が上がってくれば、また構想も変化するでしょう」(ベテラン記者)
ここ数年は若手の台頭が著しかった女子卓球。新たな新生が誕生しても不思議ではない。より厳しい代表争いが起きるのかどうか見ものだ。
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