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野球の2017ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、日本代表『侍ジャパン』が決勝ラウンド進出に向けて、好調を続けている。大会直前に大谷翔平が欠場を決めたときは暗雲が立ち込めたが、そんな心配はどこ吹く風だ。
その大谷は、2次ラウンド初戦のオランダ戦が行われていた12日に、イースタン教育リーグ(二軍)の千葉ロッテマリーンズ戦(鎌ケ谷球場)に三番指名打者出場し、1打数1安打だった。2点本塁打を含む2打数2安打だった前日11日の試合と合わせ、実戦復帰後は凡退なしの打率10割で、14日の横浜DeNAベイスターズとのオープン戦(札幌ドーム)から1軍に合流することが決まった。
順調な回復ぶりのようだが、スポーツ紙の記者からはこんな話も聞かれた。
「WBCへの参加を回避したのは、MLBと将来的な裏約束があったからです。複数のMLBの球団とパイプがある代理人が言うには『WBCを回避して無理をさせない方が大谷に傷がつかない。無理する必要がないくらい、大谷はもう世界的な認知度が高まっている』というのです。これを伝え聞いた大谷の周囲は、『怪我をおしてまで出場する必要はない』ということになったのです」
昔と違い無理にWBCに出場する必要はなくなった
日本野球機構(NPB)にも侍ジャパンの強化委員にも、大谷を無理にWBCに参加させる強制力はなく、あくまでも“選手の自発的な参加”が必要とされている。MLBのチームに所属する日本人選手で、青木宣親以外が出場していないのはそのためだ。
「数年前までは、WBCに出場すればMLBへの道も開くということで、参加したがる選手がたくさんいました。しかし、いまではシーズン中にMLBのスカウトが多く視察に訪れるので、それほど国際試合でアピールする必要はなくなったのです」(同・記者)
一部報道では、大谷が脚を痛めたのは自主トレ中にダルビッシュ有とキックボクシングをしていたからだといわれたが、球団から公式に発表された通り、昨年の日本シリーズでの激しい走塁が尾を引いていたのだろう。
いずれにせよ大谷抜きの侍ジャパンは、危機感が芽生えたことで、かえって団結しているように見える。世界一を奪還して、大谷の“ケガの功名”となればいいが。
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