「枕営業」で役を獲得!? シャロン・ストーンの傑作映画

映画評論家・秋本鉄次が往年の名作傑作を探る『昔の映画が出ています』

作品目『氷の微笑』

アメリカ/1992年
監督/ポール・バーホーベン
出演/シャロン・ストーンほか

芸能界、映画界で“枕営業”伝説というのは、洋の東西、今昔を問わずあるもので、最近、出家騒動で揺れた清水富美加についても噂が出たほどだ。それで思い出すのがシャロン・ストーン。最近は出演映画が日本で、すっかりご無沙汰。もはや“あの人は今…”状態なのが哀しい。1958年生まれだから来年で“還暦”である。

そんな彼女が90年代、一世を風靡したのが、この映画だ。最近、女芸人のお笑いネタにもなっているバブル期の最後の輝きを象徴するかような刹那的で、確信犯的な悪女映画の決定版でもあった。

元ロック・スターの惨殺死体が発見され、捜査線上に、直前まで被害者と居た、というキャサリンという美女を洗うが、奔放な性癖の持ち主のこの女はとんだくせ者で、担当刑事たちはタジタジとなる。果たして彼女は真犯人なのか? というサスペンスで、何しろシャロンのエロス攻撃が凄かった。語り継がれている伝説のシーンとしては、警察取調室での“ノーパンで美脚組み替え”。デカどもが総立ちとなり、つられてボクも何とか見えぬものか、と試写室の椅子から身を乗り出したことを昨日のように思い出す。

その前の『トータル・リコール』(1990年)で、シュワちゃんを蹴飛ばす悪女妻で注目されたのだが、僕はもっと無名時のB級冒険活劇『キング・ソロモンの秘宝』(1985年)のときに、このケバいパツキン女優にツバつけて置いた。当時の配給会社に頼んで、ポートレイト写真を特別にもらったものだが、“ノーパン攻撃”一丁で世界的セックス・シンボルに成り上がるとは! 映画界って怖い? 否、素敵だ。

 

無名だったS・ストーンが出演を許可させた「秘策」

で、“枕営業”ネタ。『トータル・リコール』に続いてポール・バーホーベン監督に『氷の微笑』で再起用されたシャロン。だが、共演の格上スター男優マイケル・ダグラスは、当初『こんな無名の女優じゃダメだ』と難色を示したそうな。そこで、バーホーベンはシャロンに知恵を授けた。『ダグラスは、(往年のパツキン美人女優)グレース・ケリーが好きなタイプだから、似た格好して“表敬訪問”して来い』と。ダグラスといえば名うての“セックス中毒”なので、ほとんど“枕営業”“肉弾特攻”のたぐい。この作戦が功を奏したのか、見事ダグラスの許可を得たんだとか。

当時から淫風漂っていたシャロンらしい本当くさい逸話である。

それを頭に入れて観ると、もっとエロく楽しめるはず。

 

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