
(C)Shutterstock
お好み焼きなどの“粉もの”の食べ物には注意が必要だ。
お好み焼の粉に潜伏する『コナヒョウヒダニ』や『ケナガコナダニ』が口に入ると、皮膚症状や呼吸器症状が出現し、ひどい場合には血圧が低下して意識を失ったり、アナフィラキシーショックを起こすこともあるのだ。
都内のある皮膚科医が、国内で発症した38例を分析したところ、9割がお好み焼とたこ焼、残りがホットケーキとピザだった。これらの粉製品は、開封後に数カ月から数年にわたって常温保存されていたという。
「粉製品に混入したダニを食べたことによるアナフィラキシーは、1993年に初めて確認されています。お好み焼粉だけではなく、ホットケーキ粉でも同様のことが起こる場合があり、海外では『パンケーキ・シンドローム』とも呼ばれているくらいです」(農研機構食品総合研究所)
開封した「粉製品」は冷蔵庫で保存を!
前述した2種類のダニは、繁殖力が強く、その死骸や卵、糞便にも抗原性を持っている。さらに、加熱してもその抗原性に変化がない。コナヒョウヒダニは成虫が大きく、肉眼でも判別できるが、ケナガコナダニの方は、かなり小さいので肉眼では粉と区別がつかない。
「特に、お好み焼の粉には、魚介エキスやアミノ酸類が多く含まれており、ダニにとってのエサが苦労なく捕食できる。お好み焼粉やホットケーキ粉は毎日食べるわけではないので、余った粉を輪ゴムなどで止め、常温で長期保存にしてしまうことがあり得ます。しかし、専門家は開封した粉製品は必ず冷蔵保存するように呼び掛けています」(食品ライター)
こうしたダニによるアナフィラキシーの報告が相次いでいるのを受け、食品メーカーは数年前からミックス粉などの粉製品に“虫害による健康被害”や“冷蔵庫での保存”を注意書きに加え始めた。ただ、こうした表示がない粉製品もあるので注意するのに越したことはない。
【参考】
※ 開封後の粉製品は早めの消費を!~粉製品に繁殖したダニによる即時型アレルギー~ – 「食品衛生の窓」東京都福祉保健局
【画像】
(C)3drenderings / Shutterstock
【あわせて読みたい】