自宅で大阪万博を擬似体験?昭和のVRデバイス「3Dビューワー」

「元祖クールジャパン」再検証

~ファイル17【学研 パンペット】~

昨年、“VR(仮想現実)元年”として、家電メーカーやゲーム産業はさまざまな関連商品を市場に投入しました。各社とも新しい需要を開拓しようと躍起になっているようです。

しかし、世間の反応は冷ややかな気がします。これまで何度かメーカー側が“3D”テレビブームを煽ったものの、まったく定着せず、消費者は痛い目に遭っているので当然でしょう。

そんな3Dですが、過去に一度だけ私が「これはスゴイ!」と思った3Dビューワーがあります。それが学習研究社が大阪万博公式おみやげとして1970年に発売した『パノラマステレオビューワー・パンペット』です。

私たちがなぜ世界を立体的に認識しているかというと、両目が約7センチ離れていることで視差が生まれ、両方の目から入った違う映像を脳内でひとつにすることでモノを立体的に把握しているからです。

別売りのフィルムを買い換えれば何度も楽しめ、万博の他、世界の景色、特撮ヒーローなどのソフトもあった

この原理を応用した3Dビューワーは昔からたくさんありましたが、このパンペットが優れていたのは、35ミリポジフィルムの上下を分割して画面をパノラマ化し、フィルムの面積を倍に活用した点です。ポジフィルムには透過性があるため、フィルムに光を通して見る立体映像は実に美しく、迫力満点です。光源はミラーの反射によって上方の自然光から採っており、コマ送りも手動なので、電源がいらないところもアナログ感バツグンです。こんなチープなビューワーから、最新3D映画システム顔負けの立体画像が飛び出してくるのだから驚きです。

「当時、大阪万博に行けなかったが、パンペットのおかげで疑似体験できた」と申している友人もいます。

VRマシーンも案外、観光地のおみやげ売り場が似合うのかもしれません。

(写真・文/おおこしたかのぶ)

 

【あわせて読みたい】

※ まったく役に立たない「コロンブスの卵」的発想のオマケ

※ 見世物小屋のような「いかがわしさ」溢れる昭和の児童書

※ 昭和におじさんがこぞって買ったボールペンがこれ

※ 猥談に欠かせなかったタバコとおバカな小道具

※ 昭和の子供たちがゲテモノを通して学んだこととは?