新素材とキャラクターで子供たちを魅了した「新感覚文具」

「元祖クールジャパン」再検証

~ファイル18【サンスター ビニパス】~

4月になると無性に新しい文具が買いたくなります。進学・入学時に文具を買いそろえた名残でしょうか。いまだにキャラクターの絵がついたボールペンなんかをつい、買ってしまいます。使ってないボールペンがたくさんあるんですが(笑)。

そんな私が小学生のときに買い集めたのが、サンスター文具の『ビニパス』でした。

3~4つ折り型で、パスケースにメモ帳、コインポケット、シール、時間割表などがついた、いわば子供向けの簡易システム手帳的な商品です。しかし、“手帳”ではなく“パス”というネーミングにサンスターのセンスを感じます。パスとは“許可書”、“合格”という意味ですから、ビニパスを持ち歩いてるだけで、なんとなく特権的な気分になれたものです。

ビニパスはサンスターの商標で、『まんが手帖』、『○○パス』などの名称がついた類似品も売られていましたが、何といってもビニパスが量と質で他を圧倒していました。

パスケースなんてひとつあれば十分なんですが、いろいろなキャラクターの絵がついたビニパスが続々と発売されるので、つい何個も買ってしまうんですよね~。

私が小学生だった昭和40年代(1965~1975年)はノートや鉛筆、筆箱、下敷きなどの文具にマスコミキャラクターが盛んに描かれ始めた時代でした。文具をコレクション的に複数買わせようというメーカーの戦略でしょう。確かに私も文具屋にはおもちゃを買いに行くような気分でしたから。

標準的な『ビニパス』、コインを入れると重くなり、それだけでうれしかった

あと、私が特にビニパスにひかれたのは、当時の新素材だった厚手の透明ビニールに魅力を感じたからでした。適度に柔らかく、ぬめりがあり、かすかに甘い匂いのする、ビニール独特の感触にフェティシズムを感じてしまったのです。

一度身についたフェチはなかなか抜けず、今でも私の胸ポケットには免許証や保険証を収納したビニパスが入っています。

(写真・文/おおこしたかのぶ)

 

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