精巧なフィギュアにはないよさ教えてくれる「駄コング」

「元祖クールジャパン」再検証

~ファイル19【ヨコタ キングコング当て】~

先日、話題の映画『キングコング 髑髏島の巨神』を見てきました。最新のCG技術で描かれたリアルで迫力ある映像には、正直度肝を抜かれました。大人の私だってびっくりするほどリアルなのだから、子供が見たら現実か虚構なのか判断できないのではないでしょうか。相当なトラウマが残るんじゃないかと心配になるくらいです。

今回紹介する『キングコング当て』は、1976年に公開されたジョン・ギラーミン監督の『キングコング』が話題になっていたころに駄菓子屋で売られていた、『ゲテモノ当て』同様の駄玩具です(“当てモノ”については『ファイル7【ことりあつめ】』をご参照ください)。リアルとは逆の、ゆる~い造形のゴム人形です。

おそらくメーカーがブームに便乗しようと、香港あたりでゴリラのチープなゴム人形を安価で買い付けてきて、適当にでっち上げた商品だと思われます。映画とは関係ないクマやラクダまでいるんだからいいかげんなもんです。これじゃ単なる“動物当て”ですよ(笑)。

ゴリラの顔を見てください。いかにも「こわいだろ~」と言いたげなケレン味のある造形は、昨今のリアルなフィギュアにはないワイルドな表現で、新鮮な感動があります。

リアルなCG映画で育った子供が大きくなったときに、ストップモーションで動く怪獣や人間が着ぐるみに入って演じる怪獣を見たら、その造形や動きの面白さに意外と感動するんじゃないでしょうか。

表現というものは時代によって変わっていきますが、本当の感動は表現の進化とは関係のない“サムシング”なのだと思います。

(写真・文/おおこしたかのぶ)

 

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