JR発足30周年の裏で先送りされ続ける「赤字垂れ流し」構造

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4月1日で、国鉄が分割民営化されてJRグループが発足してから30周年を迎えた。

JR東日本など本州3社は、株式上場するなどして高収益企業に生まれ変わった。昨年10月25日にはJR九州も上場している。だが、現在のJR繁栄の陰には、大きな国民負担がある。

元横浜市長の中田宏氏は昨年4月、『新幹線は地方を幸せにするのか』と題する論文を発表した。そのなかで指摘しているのが、整備新幹線と赤字垂れ流しの並行在来線の問題だ。1970年の全国新幹線鉄道整備法に基づき、事業化された路線が整備新幹線であり、東海道や山陽、上越は整備新幹線と呼ばない。

整備新幹線は1973年に政府が整備計画を決定し、1989年から着工された。昨年3月に開業した北海道新幹線もそのひとつだが、これは43年も前に決められた計画なのである。

43年前といえば日本全体が高度経済成長に沸いていた時代だ。すでに人口減少社会に入った現在と計画当時とでは、想定された社会環境が全く変わってしまっている。

 

第三セクターが赤字鉄道路線の受け皿になる

整備新幹線の問題は、その建設費自体が巨額であること、そして建設コストに見合った収益が上げられるのかということだ。例えば、北海道新幹線は開業からこの1年が経過したが、平均乗車率は32%にとどまっている。鉄道が開業することで、人が住み、職場ができ、新たな経済圏が生まれるといった未来が描かれていたが、そんな時代はとうの昔に去ってしまった。

整備新幹線が開業すると、並行在来線はJRの経営から分離され、地元自治体が出資する第三セクターが受け皿となる。第三セクターが維持している鉄道路線は、しなの鉄道(長野県)、青い森鉄道(青森県)、肥薩おれんじ鉄道(熊本県・鹿児島県)など、たくさんある。北陸新幹線開業時には、えちごトキめき鉄道(新潟県)ほか2社の運行が始まった。

並行在来線は沿線住民の“生活の足”であり、自治体が維持と存続させようとするのは当然だ。しかし、少子高齢化で利用者が減り続けるなか、メインは通勤と通学の利用者となり、運賃収入で売り上げを伸ばすのは至難の業である。どの並行在来線も経営は苦しく、赤字の場合がほとんどだ。

並行在来線の赤字は、地元自治体の財政で補填されることになる。中田氏は「その財政負担に耐え切れなくなった各地方自治体は、やがて国に補助金等の陳情に走る」という。国の補助金は、言うまでもなく国民の税金だ。

メディアは、北陸新幹線のときも北海道新幹線のときも、観光名所やグルメ情報など、華やかな部分だけを紹介する。しかし、地元自治体も国民も新幹線の開通の裏側に潜む大きな問題を考えなければならない。そうでなければ、“第2、第3の国鉄”を生み出しかねないのである。

 

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