トランプ政権の暴走を暗示か?映画「パージ:大統領令」

映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『パージ:大統領令』

パルコ配給/4月14日よりTOHOシネマズ日劇ほかで公開
監督/ジャームズ・デモナコ
出演/フランク・グリロ、エリザベス・ミッチェルほか

1年に一晩の12時間だけ、すべての犯罪が合法となる法律が施行された世界を舞台にしたサスペンスドラマで、『パージ』(2013年)、『パージ:アナーキー』(2014年)に続く第3弾。奇想天外で刺激的な設定が受けたのか、どちらかというと低予算の作品なのに、前2作が全世界興行収入300億円を突破する大ヒットを記録した話題作でもある。

1作目も2作目も観て一応楽しめたが“殺人合法映画”としてのリアル感はそれほど感じなかった。娯楽映画の一つの域を出なかったのだが、今回はアメリカの大統領選が背景なので、偶然とはいえ実にタイムリー。急にリアル感が増すのである。もちろん、この映画が作られたのはトランプ政権誕生前で、アイデアは数年前だけに、先見の明があったと言えるだろう。原題は『パージ:選挙の年』だが、邦題は流行語化しつつある“大統領令”をアテたのも、トランプ政権を意識してのことだろう。抜け目がないね。

 

テレビドラマでおなじみのエリザベス・ミッチェルに注目

アメリカに極右政権が誕生し、犯罪抑制の最終手段として『パージ』法を容認している。年に一度だけハメを外させて、犯罪率を下げる、という論理なのだ。しかし、それは貧困層や社会的弱者の排除につながると訴える女性議員が、次期大統領選の有力候補となる。

政権側は“殺人合法の日”を利用して、この上院議員の暗殺を謀ろうとするが、それを阻止しようと奮戦する護衛官を演じるのが『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016年)のタフガイ、フランク・グリロ。注目はこの女性議員を演じるエリザベス・ミッチェルの“美人過ぎる”議員ぶりが、熟女好きならたまらない。彼女、今年47歳で、2006年の『LOST』や2009年の『V』などテレビ・シリーズで知られており、それらにハマった人ならご存じか。黒縁のメガネが似合うパツキンで、防弾チョッキ姿もセクシー。どこぞの国の女性防衛大臣の伊達メガネなんぞよりよっぽどステキである。

そんな彼女が護衛官に守られながら、魔手からの決死の脱出を図る姿がスリリング。前作よりスケールアップして、ドンパチも派手に展開する。しかし、彼女は敵に捕まり、支持者の前で生け贄として“処刑”されそうになるのがクライマックスの見せ場で、猿ぐつわ、緊縛姿で身動きの取れない“メガネ美人パツキン議員”はかなりエロチック、って、そんなところに注目するボクも困った奴だ。

これは映画だが、トランプ政権が暴走した先に人間の命を軽んじるこんな世界が待っているかも、と思うとゾッとするね。

 

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