ブルース・リーの師匠の波瀾人生を描く映画「イップ・マン」

映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『イップ・マン 継承』

ギャガプラス配給/4月22日より新宿武蔵野館ほかで公開
監督/ウィルソン・イップ
出演/ドニー・イェン、マイク・タイソンほか

“イップ・マン”と言ってもなじみがないかも知れないが、あの伝説のクンフー・ヒーロー、ブルース・リーの唯一の師匠だった武術の達人、といえばピンとくるだろうか。そんなイップ・マンの波瀾万丈の人生を20世紀中期の動乱の時代を背景に描くシリーズの第3作目で、クンフー映画ファンならずとも必見!

若い日のリーの姿は今回も登場する。テレビ・シリーズでは実際にブルース・リーを演じたこともあるチャン・クォックワンが今回演じているのだが、これがまさにルックスも仕草もそっくり。生意気盛りで押しかけ弟子入りしようとする冒頭、イップ・マンと手合わせするシーンがまずハイライト。1959年香港、裏社会を牛耳る不動産王フランク(これが何とあのマイク・タイソン! 顔から体から入れ墨だらけで不気味な迫力)の暴挙から愛する街と家族を守るため、静かなる達人が立ち上がる…。

後半はもちろん、タイソンとの一騎打ちがメインイベントだが、その後にイップ・マンに歪んだライバル心を燃やす男(現在、中華圏で人気急上昇のマックス・チャン。口ヒゲもりりしいイケメンですぞ)とのバトルも加えられ“死闘2本立て”のお得感を満喫できる。

 

イップ・マンを演じるドニー・イェンに注目

それにしても、イップ・マン役のドニー・イェンの立ち振る舞いは、もはや神の領域。物静かな紳士然とした雰囲気から突如繰り出すクンフー技はスゴすぎるの一語と言える。すでにハリウッドにも進出し、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016年)や『トリプルX:再軌道』(2017年)などの超大作に重要な役で出演しているほど、彼の知名度はもはや世界的なのだ。この際、覚えてね。

この作品、壮絶な男のバトルだけでなく、実は“愛妻物語”の側面も持つところが注目だ。相思相愛ながら、現実にがんでその後亡くなってしまう妻へのイップ・マンの想いが貫かれる。愛妻家だが、恐妻家にも映り、クンフーでは無敵の彼も妻には敵わない?

妻役のリン・ホンはモデル出身だけに、イップ・マン役のイェンを軽々凌ぐノッポ美女。タッパのある女性大好きのボクは思わず見上げ、よじ登りたくなったほど(笑)。ふたりのツーショットは、邦画で言えば『図書館戦争』(2013年)の“チビ”岡田准一と“デカ女”榮倉奈々の身長差の魅力にさも似たりで、微笑ましいぞ。

 

【あわせて読みたい】

※ 出家した清水富美加が主演・腹黒JK描く問題作映画「暗黒女子」

※ 労働者階級シネマを作り続けるベテラン監督が問う「個人の尊厳」

※ 絶品裸体にも注目!? 「攻殻機動隊」ハリウッド版が日本上陸

※ トランプ政権の暴走を暗示か?映画「パージ:大統領令」

※ 暗殺のJFK未亡人をN・ポートマンが好演する映画「ジャッキー」