キュートすぎる!「つちのこ」で一攫千金を狙ったソフビ人形

「元祖クールジャパン」再検証

~ファイル23【エムエス つちの子】~

毎年5月3日は岐阜県の東白川村で『つちのこフェスタ』が開催されています。『つちのこ』は胴の中央部が膨れたヘビのような形をしていて、数メートルもジャンプすると言われている日本を代表するUMA(未確認動物)です。

東白川村でのつちのこ獲得賞金は、なんと128万円だそう。そう、つちのこは特産物に関連した“ゆるキャラ”や、アニメ作品などとの関連から“聖地”を名乗って、地域活性化をねらう、いわゆる村おこしの元祖なんですね。

“UMAブーム”の先駆けは、1951年に英国の登山隊がネパール・ヒマラヤ山脈で発見した足跡写真が世界中で話題になった『雪男』です。メジャーになったUMAの雪男に付帯する形で、第1次怪獣ブームに湧いた1966年以降に、戦前の1934年撮影の『ネッシー』の首写真が、日本の少年誌や怪獣図鑑にひんぱんに登場しました。その後、1973年春の『週刊少年マガジン』に掲載された矢口高雄の読み切りまんが『幻の怪蛇バチヘビ』をきっかけに、日本発のUMA、つちのこが大ブームを巻き起こしました。

そんなUMAブームのどさくさに紛れて発売されたのが、今回ご紹介するソフビ人形『つちの子』です。

口に小さな風船のようなベロがついていて、お腹を押すと「ピュ~ッ」という音とともにベロがピョコピョコ膨らんだり縮んだりする、何ともラブリーなつちのこです。リアルな造形ではなく、子供受けを狙った愛嬌のあるルックスは見ていてほっこりします。

ゴム製品は保存環境がよくても4~5年も経過すると乾燥などによって柔軟性が失われ劣化するので、40年以上も経過した現在では、完全なものはほとんど見掛けません。この人形も例外ではなく、撮影直後に割れてしまいました。これは奇跡の一枚なのです(笑)。

最近はCG技術の進化により、ネットで次々と新しいUMAの捏造動画が投稿されています。逆にリアルなUMA目撃数は減っているのが残念でなりません。

余談ではありますが、この商品に会社の住所が書いてあったので、その住所の近くに住んでいた友人に健在なのか確認しに行ってもらったところ、エムエスという会社は存在しませんでした。あわやこの商品が大ヒットして自社ビルを…という夢も、つちのこブームとともに幻と消えたようです。

(写真・文/おおこしたかのぶ)

 

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