「怪獣をかぶる」という斬新な発想のおもちゃ

「元祖クールジャパン」再検証

~ファイル25【三栄貿易 怪獣ボーシ】~

日増しに陽射しが強くなってきました。お肌の紫外線対策は、盛りの7、8月だけすればよいのではなく、急激に紫外線が増えてくる5月から始めた方がいいそうです。というわけで、お出掛けには帽子をお忘れなく。

そういえば、昔の日本映画が好きでよく見るのですが、昭和20~30年代(1945~1964年)の映画に出てくる男性たちが外を出歩くシーンを観ると、現在とは比較にならないほど多くの割合で、頭になんらかの帽子をかぶっていることに驚きます。

帽子は明治以降、上流階級が西洋の正装として取り入れたものが、先取りの気風として次第に中産階級にも広まっていきました。

映画を見るとその時代の流行によって、カンカン帽や中折れ帽、パナマハットなどの帽子を上手に使いこなしていて実に興味深いです。

私が小学生だった1960年代後半から1970年代にかけての子供たちも、今よりも帽子と密接な関係だったと思います。学校の制帽、体育帽、野球帽、麦わら帽子、お出掛け時のベレー帽、シャンプーハット(笑)など、多数の帽子を使い分けていました。

そして、今回ご紹介する『怪獣ボーシ』です。

第2次怪獣ブーム時(1971~1974年)に発売されたもので、軟質ソフビ製の大きな怪獣の頭部に、顎にかけるゴムが付いたものです。怪獣の造形もリアルかつ親しみのある雰囲気で、なかなか味わいがあります。

顔にすっぽりかぶる“マスク”では本気度が高くて、ちょっと気分的に重い。“帽子”というところがカジュアルでいいですね。暑苦しく顔を覆わずとも怪獣になった気分に浸れます。

脱いだ後は、柱の帽子掛けにでも吊るしておけば、鹿首の剥製みたいな趣があるインテリアになるのも素晴らしい。気分は怪獣ハンターです(笑)。

私の記憶ではこの類の商品は、これ以降発売されていないはず(同時期に硬質ソフビ製の『怪獣ヘルメット』という商品はありました)。

人気怪獣を現代風におしゃれアレンジした帽子なんかあったらいいなぁ。つばの広いカネゴンの麦わら帽子、大きな目が光る防災用バルタン帽子、ブースカの王冠をあしらったパーティ用帽子なんてどうでしょう?

(写真・文/おおこしたかのぶ)

 

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