伝統的な海女漁を現代に伝える「官能的」お土産

「元祖クールジャパン」再検証

~ファイル26【海女さんのおみやげ】~

5月、千葉県南房総市白浜などでは早くも海女さんによる素潜り漁が解禁されます。4年前のNHK連続テレビ小説『あまちゃん』で一躍脚光を浴びた海女さんですが、あれほど脚光をあびたにもかかわらず、伝統的な海女漁は後継者不足で、もはや絶滅寸前です。

それにしても、“海女”とは何とも甘美なエロスの匂いのする言葉です。

私が学生だったころ、映画館街で『色情海女 ふんどし祭り』、『夜這い海女』といった、海女さんを扱ったポルノ映画のポスターを見たおかげで、何となく海女さん=エロという刷り込みがあるんですが(汗)、じっさいの海女さんは、きわめて健康的なものでした。

それでもやはり、女性の濡れた髪や薄着姿、潮の香り、ハツラツとした肉体美…といったイメージが織りなすものは、かつての近代日本が海外に誇った“元祖クールジャパン”のひとつであったということは間違いないことだと、私は思います。

そんな貴重なものがなくなってしまうのは、やはり寂しいことです。しかし、その海女の姿やエロスを現代に伝えるものがあります。それが今回ご紹介する『海女さんのおみやげ』です。

右の犬吠埼のおみやげは、頭に白の磯頭巾に水中メガネ、赤い腰巻き(磯ナカネ)、上半身にかすり半纏、白足袋姿の伝統的海女さんです(サザエと灯台が象徴しているものは…お分かりですね?)。

左の雲仙市仁田峠のおみやげは、全身、白の海女衣装でキメた、まるで人魚のような海女さんです。珊瑚をあしらったワイングラスにレイアウトされているのがとてもお洒落。桃源郷にでも誘っているような蠱惑(こわく)的な笑顔がたまりませんね。

海女漁は、1960年代中頃までは半裸で行われていた、牧歌的なものでした。ところが急速に発達したマスコミによる報道、カメラブームによる来客数の増加、海女を扇情的に扱った映画が多数公開されるなどして、海女さんたちのなかに“羞恥心”が芽生え、次第に現在のような衣装に変化していきました。

本当に恥ずかしいのは、彼女さんたちを好奇心の対象としてやましい目で見る大人たちです(私も反省)。

(写真・文/おおこしたかのぶ)

 

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