北朝鮮の「シリアやリビアへの武器提供」罪悪を告発する証拠

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シリアのアサド政権が自国民に向けて、サリン(神経ガス)による攻撃を行ったと、広く非難されている。この攻撃で子供31を含む88人が死亡した。

シリアは、2013年に化学兵器禁止条約(CWC)へ加盟をしているが、北朝鮮は未加盟だ。現在、未加盟国は同国に加えイスラエル、エジプト、南スーダンの4カ国のみ。北朝鮮は化学兵器の保有を否定するが、未加盟であるために保有を強く疑われている。「持ってない」という北朝鮮の弁明を信じる専門家はほとんどいない。

「北朝鮮は、1966年7月2日にシリアと外交関係を樹立して以来、半世紀が経っています。1973年に第4次中東戦争が勃発した際に、北朝鮮はシリアに軍事支援を行い、戦闘機のパイロット30人や戦車兵200人、ミサイル要員300人を派遣しているほどの関係です」(軍事アナリスト)

シリアはCWC加盟国にもかかわらず、化学兵器を使用した。そのため、加盟以前の2013年以降も化学兵器を隠し持っていたか、全廃に応じたふりをしながら密かに製造を続けていたか、その両方かが疑われている。また、化学兵器禁止機関(OPCW)元責任者の「未申告分約700トンが残っている」との指摘もある。この残存分は、元をただせば北朝鮮が支援した化学兵器だ。加えてシリアと北朝鮮は、核開発でも協力関係にある。

 

リビアにも武器を提供

「北朝鮮とシリアが核開発で協力している可能性について、最初に報じたのはニューヨーク・タイムズ(2008年)です。アメリカ国防省関係者の証言として、《イスラエルが最近シリア上空で偵察飛行を行い、核施設とみられる地域の写真を撮影し分析した結果、北朝鮮がシリアに核物質の一部を供給していると確信している》と報じています」

一方で北朝鮮は、リビアのカダフィ政権とも、1974年の修交後40年近くにわたって、武器輸出などで軍事協力関係を維持してきた。リビアが反政府民主化デモ隊を鎮圧する際に、北朝鮮から輸入した武器を使用していることが明らかになっており、リビア反乱軍が再奪還した油田地帯ブレガの武器庫からは“D.P.R OF KOREA”と書かれた武器の箱が見つかっている。

このように、北朝鮮が国連の武器輸出制裁を受けながら、密かに海外に武器などを販売している証拠は、いくつも存在するのである。

 

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