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子供が何歳になったらスマートフォンを持たせるかということが、世界中で議論されている。スマホは子供に心身両面で悪影響を与える可能性があるためだ。
発明者のスティーブ・ジョブズ氏は、自分の子供にiPadを持たせなかったという。過去のインタビューでは「自宅にiPadは持ち込まない。中毒性が強くて、危険すぎる」と話していた。実際のところ、中毒性のほかにも危険な点があるようだ。オンラインマガジン『ウェイキング・タイムス』は3つのポイントを挙げている。
ひとつ目は、ジョブス氏も指摘していた“中毒者にする”という点。中毒性が強く、快楽ホルモンを出す脳の報酬系を変えてしまうのだという。ドラッグのように依存症になってしまい、それなしでは快楽を感じなくなるといい、子供の自然な成長が妨げられてしまうそうだ。
スマホは1日3.6時間を奪う
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の神経科学ディレクターのピーター・ホワイブロウ博士は、スマホやタブレット端末の画面を“エレクトロニック・コカイン”と呼び、中国の研究者は“デジタル・ヘロイン”と言うほどだ。また、アメリカ防総省とアメリカ海軍でビデオゲームなどを中心とした依存症研究をしているアンドリュー・ドーン博士は“デジタル・ファルマシア”と表現している。ファルマシアとはギリシャ語で薬物を意味する言葉だ。
ある医療ジャーナリストは「子供がスマホをいじるのは、ドラッグをやっているようなものというわけです。イギリスのダービー大学の調査では、スマホユーザーは1日平均3.6時間もスマホをいじっていることがわかりました。3.6時間も奪われることで、人間関係と現実の生活に支障をきたしています」と指摘する。
そして、ふたつ目の指摘は“気分と感情に影響を与える”という点。小さな子供がスマホ、タブレット端末を過度に使用すると、精神的な発達を妨げ、社会的な問題を引き起こす可能性があるという。
最後の3つ目は“姿勢が悪くなる”という点だ。骨が成長している児童期には、スマホやタブレット端末を過剰使用することで、脊柱に異常が出るケースがあるという。医学会では7歳の“テキスト・ネック“や“スマホ首”が問題となっているという。同症状はスマホを手に持ち、画面を見るために頭を下げ、首を屈曲させている状態が長く続くと、首に痛みが出るというもの。大人ならまだしも、子供だと骨の成長に異常が出るというのだ。

テキスト・ネックの治療前(左)と治療後(右)
オーストラリアのジェームズ・カーター博士は「テキスト・ネックになると脊髄損傷を起こす可能性がある。過去数年で患者が急増し、うち50%が10代の若者です」と発表している。
[参考・画像]
※ Text neck seen in shocking X-rays of teenagers – Daily Mail Online
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