これが昭和のスマホだ!冒険&スパイ気分を満喫できる傑作玩具

「元祖クールジャパン」再検証

~ファイル27【学研 ボーイズコマンダー11】~

子供のころはこの季節になると冒険心がムクムクと湧いてきたものです。というのも、1960年代後半ごろ、毎年夏が近づくと週刊少年漫画雑誌によく《無人島でロビンソン・クルーソー体験》、《君も秘密基地を作ろう!》なんてこどもの冒険心をあおる特集記事が掲載されていて、煎餅かじりながらそれを読んでいたからです。

もちろん、夢想するだけです。実際に無人島に行ったこともないし、友達と秘密基地を作ったこともありません。残念ながらそのころには、私が暮らしていた町にそんな遊びが可能な空き地は見当たりませんでしたから。記事を読みながら妄想するだけで楽しかったのです。

時代が1980年代に移りますと、そんな妄想と現実のギャップを埋めてくれるアイテムが登場します。それが今回ご紹介する『ボーイズコマンダー11』です。

広告は『玩具商報』(商報社/1981年7月号)より

15×12cmのコンパクトボディーに潜望鏡、望遠鏡、カウンター、ふえ、虫めがね、AMラジオ、懐中電燈、メジャー、方位磁石、日時計、高度計という11もの機能を搭載した、冒険・スパイアイテム好き少年にはたまらない、夢のような商品です。いまは大人の私でさえ、これを手元に置いていじっているだけで冒険気分にどっぷり浸れます。

これが好評だったのか、学研は数年後『ボーイズコマンダー21』という、高倍率望遠鏡、集音器など高級機能を詰め込んだハイエンド機を発売します。しかし、あまり多くの機能を詰め込んだせいで、大きさと重量が増加。ハンディーなスパイアイテムとしての魅力は半減してしまいました。

そんな不満をすべて解決してしまったのが現代のスマホでしょう。あらゆる機能をポケットに入る手のひらサイズに収納したスマホは、まさに究極の『ボーイズコマンダー』です。

しかし、無人島や災害時には、電池が切れてしまったスマホはサバイバルツールとしてまったく使い物になりません。最後に役立つのは絶対にアナログパワーなのです。とうわけで私の枕元にはいつもこの『ボーイズコマンダー11』が置いてあります。

(写真・文/おおこしたかのぶ)

 

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