アメリカの「パリ協定」離脱を中国が歓迎した理由

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アメリカが『パリ協定』から離脱した。

ドナルド・トランプ大統領は演説で「パリ協定はアメリカ製造業の衰退をもたらした。わたしはピッツバーグ市民を代表して選ばれたのであり、パリ市民を代表していない」と、鉄鋼業の衰退に苦しんだピッツバーグの労働者に寄り添う姿勢を強調してみせた。ところがピッツバーグ市長は「市民の8割はヒラリーに投票した」とトランプ大統領の発言を否定して突き放している。

多くのアメリカ国民や名だたるグローバル企業が、パリ協定からの離脱反対を訴えているが、唯一、これを喜んだのが中国だ。

「中国の中央テレビ局は“アメリカ離脱”の特集番組を組み、『アメリカが抜けるなら中国がリーダーシップを発揮しましょう』と声を張り上げて、自国の存在を大きくアピールしました。ですが、中国は肝心なことを忘れています。北京市民は常にPM2.5に怯え、安全に呼吸することさえできません。河川汚濁や土壌汚染も大気汚染と張り合うほどひどく、水道水が飲用に使えないことは世界中に知れ渡っています。自浄作用の利かない国が、世界に向けて『地球温暖化解消』を呼び掛けられるわけがありません」(国際ジャーナリスト)

 

トランプの娘夫婦は協定離脱から反対していたが…

依然として、中国国内の総電力に占める石炭火力の割合は70%と、まるで抑制されていない。規制と成長の間で身動きが取れない中国が、パリ協定に沿って本気で動くとは思えない。

「中国は、自国が地球温暖化ガス排出量で世界1位なのを忘れているのでしょう。EDMCエネルギー経済統計要覧2017年度データによれば、世界の二酸化炭素排出量総量(330億トン)の28.3%は中国で、2位のアメリカの15.8%をはるかに上回っているのです」(環境アナリスト)

また、アメリカの離脱には“ある理由”があるのではないかという見方もある。

「アメリカでパリ協定からの離脱を訴えていたのは、バノン首席戦略官やプルーイット環境保護庁長官です。、一方反対派には、愛娘のイヴァンカ&クシュナー夫妻やティラーソン国務長官などがいる。先のG7首脳会談では、環境問題に熱心なドイツのメルケル首相が、女性同士なら分かり合えると、トランプ大統領に影響力を持つイヴァンカの説得を試みました。しかし、メルケルと相性の悪いトランプは、ロシアゲート疑惑も考慮して、今回はイヴァンカ夫妻の言うことは聞きませんでした」(前出・ジャーナリスト)

地球が滅びれば、アメリカ・ファーストも何もあったものではないのだが…。

 

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