「UFO大ブーム」の時代に子供たちが熱狂した駄菓子屋のカード

「元祖クールジャパン」再検証

~ファイル37【アマダのカード UFO】~

6月24日は『空飛ぶ円盤記念日』だそうです。

1947年のこの日、アメリカの実業家、ケネス・アーノルドが自家用機で飛行中、コーヒーカップの受け皿(ソーサー)に似た9つの光る飛行物体と遭遇。これが世界初の『フライングソーサー=空飛ぶ円盤』目撃事件とされているのです。ほどなくして「UFO(Unidentified Flying Object:未確認飛行物体)」という呼称が定着しました。

アーノルドの目撃談が報じられるや否や、円盤に乗って宇宙人と会見したという人物、ジョージ・アダムスキーが現れたり、多種多様な目撃談と円盤や宇宙人を捉えたとされる写真が堰を切ったように世界中で報告されました。ただし今日では、このような現象は、ある種の集団的ヒステリー状態に起因する可能性が指摘されています。

1947年はちょうど東西冷戦が始まり、アメリカでは赤狩りが顕在化した年でした。「身近な人がソ連のスパイかもしれない」とメディアを通じて煽られ、得体の知れないものに怯える素地が醸成されていたのです。

日本では1970年代後半にUFOブームが到来するのですが、ちょうど公害問題や自然破壊など、高度経済成長のツケがドッと出てきて一段落したあたり。1973年の『オイルショック』により日本中が騒然となり、同年のベストセラー『日本沈没』(小松左京)、『ノストラダムスの大予言』(五島勉)がさらなる不安を煽るなど、ちょっとしたヒステリー状態にあったのかもしれません。

とにかくこのときのUFOブームは凄まじかったですね。関連書籍は言うに及ばず、UFOの名が付いたヤキソバは出るわ、ピンク・レディーは『UFO』でレコード大賞を受賞するわ、アニメ映画『これがUFOだ! 空飛ぶ円盤』が公開されるわの大騒ぎ。

そんな狂騒のなか、UFOに本格的に興味を持つ子供もちらほら現れ始めました。そんなUFOマニアの少年たちの間で密かなブームになっていたのが、今回ご紹介するアマダのカード『UFO』です。

アマダ ザリガニ水生昆虫シリーズ』の回で紹介したものと同様、小袋にカードが入っていて、当たりが出たらもらえるアルバムに収納し、コレクションして楽しむというものです。

子供が昆虫を集めたいという気持ちは理解できますが、これ、地味~なUFOの写真ですよ。映画などに登場する派手なUFOならまだ分かりますが、実際に撮影されたUFOの写真を集めているので、風景に「これがUFOかなぁ?」と思われる影のようなうっすら写っているものがほとんどです。ごく普通の子供たちはちょっと引いたんじゃないでしょうか。

ハッキリ写っているものにはご丁寧にもインチキであると解説が。インチキだと分かっているならUFOじゃないじゃん!

実にマニアックというか、真面目にUFOを研究していた少年にはこのストイックさがビビッときたのかもしれません。少年たちが駄菓子屋で「おっ、このアダムスキー型UFOは信憑性高いよ」なんて会話をしていたかと思うと心が和みますね。

テロ事件が多発するなど、先行きが見えない時代になってきました。そろそろまたUFOブームが来るのではないかと思います。

(写真・文/おおこしたかのぶ)

 

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