冒険気分を高めてくれた夢の「探険セット」

「元祖クールジャパン」再検証

~ファイル39【サンスター 探険セット】~

“探検”、“冒険”…日ごろよく耳にする言葉ですが、日常の枠を飛び越えて「探検」しようなどと考える大人は、おそらく少数派でしょう。

では、その子供時代に考えていた探検とは、一体どんなものだったでしょうか? それを思い出せてくれる玩具がサンスターの『探険セット』です。

超能力とオカルトブームに沸いた1970年代なかごろの商品と思われるこの玩具は、当時の子供たちにとっての“探検”を見事に具現化しています。

ビニール袋状になったページが厚紙の表紙でくくられており、袋の中にいろいろなグッズがゴチャッとテンコ盛りになっています。《アドベンチャー10大アタック作戦》と名付けられたその内容を挙げてみましょう(帯文より)。

  1. 望遠鏡
  2. サンダイヤル(これはべんり!日時計だ)
  3. ピストル(輪ゴム弾 3連発なのだ!)
  4. 短剣(カイジュウから身をまもれ)
  5. 笛(仲間がみえなくなった。コールサインで連らく)
  6. シール(世界4大珍獣のシール)
  7. 地図(珍獣のすんでいる場所を忘れずに)
  8. 探険百科(探険のすべてがわかる)
  9. 隊員証(探険隊員のシンボル)
  10. 4大珍獣カード(ネッシー・雪男・ツチノコ・日本オオカミのすべて)

文字を読んでいるだけでもわくわくドキドキ、失われていたかつての冒険心がよみがえってきますね。こんなに詰め込んでたったの400円とは。

1969年に発売され大ヒットした“水に溶けるメモ”や“団員証”、“バッジ”などをセットにしたスパイ手帳シリーズと同様、これだけのグッズをハンディーな手帳という形におとし込んだサンスターのセンスには頭を下げるしかありません。

もちろん、ピストルや短剣と言っても厚紙でできた実にチープなものばかりです。要はいかに“探検気分”を1冊に盛り込めるか、ということに徹しているわけです。

とはいえ、1974年、第2次世界大戦終結から29年ぶりに帰国した小野田寛郎さんが潜んでいたフィリピンのルバング島のマップや、ツチノコが目撃された場所を記したマップは、なかなかリアリティーがあっていやがおうにも気分を盛り上げてくれます。

いまやバーチャル・リアリティーで何でも疑似体験できてしまう時代です。しかし、こんなチープな玩具でも妄想力さえあれば、頭のなかでいくらでも探検できるんだぞ、とおじさんは思うのです。

(写真・文/おおこしたかのぶ)

 

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