加計学園で被害者装う文科省は「保育園落ちた日本死ね」の加害者

barman / PIXTA(ピクスタ)

医学部も獣医学部も、新設されると“既得権益者”の利益を棄損させる。しかしながら、あからさまに“阻止”を掲げると行政面でも世論上も都合が悪い。そこでどうするかというと、新規参入のハードルを上げるのだ。国際医療福祉大や成田市が、国家戦略特区を活用した学部新設にあたって掲げたのが“国際医療学園都市構想”だ。

一方、岡山理科大を傘下に持つ加計学園の獣医学部新設に当たっては、今治市と愛媛県が共同で“国際水準の獣医学教育特区”を提案している。ともに“国際的”だというのがポイントだ。

開学阻止を掲げる既得権者とその応援団である族議員は、次のように指摘できる。「国際医福大や岡山理大程度の大学が、国際的なレベルの教育が可能なのか」、と。

ただ、“阻止”という点では、実はもっと大きな問題がある。医師や獣医師不足以上に新規参入を露骨に阻んでいるのが、保育所(管轄:厚生労働省)や幼稚園(同:文部科学省=以下園)だ。私立の場合、既得権益者は、寺など地域における有力者が経営する場合が多く、理事長も代々受け継がれる。新規参入があれば当然収入が減るので、認可保育所を作ろうという団体があると、定員が20人以上で0歳児や1歳児の1人当たりの基準面積が3.3平方メートル必要などと諸条件を付け、ハードルを上げる。都心でこんな立地スペースを近隣住民の反対もなく確保することは、ほぼ不可能だ。

 

小中学校の空き教室を保育園に転用すれば解決する問題だった

ところが、都道府県別で最も待機児の多い東京都の都心には、安価で適格な場所がわんさかある。少子化の結果、児童や生徒の数が減った小中学校、つまり文科省管轄の教育機関だ。東京都内では、各学年1クラスしかない都心部の学校も多い。使われていない空き教室は公有地だから、公立保育園に転用すれば待機児問題は一挙に解決するはずだ。だが、反対勢力がいるのである。

「団体や私立園などに転売すれば、公立の園を握る民進党系の『自治労』と共産党系の『自治労連』が反対します。会計検査院も小中学校の空き教室の活用を指摘し、1998年に指摘を受けた文科省は、転用先として保育園も挙げながら地方自治体に伝えていますが、都の場合保育園に転用したのは2校、3教室だけでした」(幼児教育に詳しいライター)

小中学校の所有・運営者である市区町村や教育委員会は「空き教室などは、教育に必要で有効な目的に転用しており、空きはひとつもない」と拒否し、これを文科省も事実と違うことを知りながら認めてきた。加えて労組の意向を忖度し、“園不足”を見て見ぬふりをしてきた。“保育園落ちた日本死ね”の日本は、厳密には「文科省死ね」と言うべきなのだ。

 

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