SMをテーマにした第2弾映画「フィフティ・シェイズ・ダーカー」

映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『フィフティ・シェイズ・ダーカー』

東宝東和配給/6月23日よりTOHOシネマズ新宿ほかで公開
監督/ジェームズ・フォーリー
出演/ダコタ・ジョンソン、ジェーミー・ドーナンほか

“栃木のプリンス”と呼ばれた観光ホテル専属歌手や人気イケメン俳優が、未成年売春(敢えて援交とは呼ばない)疑惑で、そのロリコンぶりが暴露されたが、世にヘンタイの種は尽きまじ、ですな。

洋画にも筋金入りのヘンタイさんがいる。普通の愛し方ができず、SMオンリーの若き大企業CEOが、オクテな女子大生を“調教”しようとする『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』のパート2がこの新作。当然のことながら“SM力”は増量されている、と書くとエロなオジサン専用かと思うが、ちゃんと一般女性にも入りやすいハイソな仕様となっている。

かつて40数年前『エマニエル夫人』が“女性も観れる高級エロス映画”風に売って大ヒットしたのと似ている。SM系で言えば『昼顔』(1967年)、『O嬢の物語』(1975年)、『ナインハーフ』(1986年)などのラインに属するだろう。最近は一般女子も平気で『私、ドMだから』と口にする世の中だしね。すでに故人の“SMの大家”団鬼六先生に取材したことがあるが、『気軽にドMという言葉を使うんじゃない』と憤慨なされていたっけ。

 

ツッコミどころ満載の映画だが最大のツッコミどころは…

大企業CEOのグレイ(ジェイミー・ドーナン)による“調教”から逃れた、好奇心はあるけど奥手という設定の女子大生アナスタシア(ダコタ・ジョンソン)は社会人となるが、彼女を忘れられないグレイの懇願を受け入れてしまう、って一度覚えたSMの味は、ってやつですか。このヒロインの“カマトト・エッチ”ぶりも板についてきた。ダコタ嬢は脱ぎっぷりも上等で、足かせに目隠し、後ろ手縛りにスパンキング(尻打ち)とヘンタイ順応度もますますアップ。やっぱり素質があったのね、と妙に納得したりして。

映画自体はツッコミどころ満載で、一番の爆笑、苦笑はグレイが『ボクは支配者じゃない。単なるサディストなんだ』って珍セリフ。このへんは、結局同じだろうが、コラッ、と遠慮なくツッ込もう。

なお、助演で、ボクが“世界最愛パツキン”とお慕いするキム・ベイシンガー様がご出演。グレイがヘンタイ化した諸悪の根源ように言われ、酒ぶっかけられ、ビンタ張られる、カワイソウな役どころ。その昔、前出の『ナインハーフ』でヒロインを演じ“SM洗礼”では大先輩の彼女が、若きダコタ嬢に範を示した、ということで納得してあげよう。

すでにパート3が来年公開予定で、鋭意製作中とか。いつの時代も“SMもの”は売れ筋なのです。さあヘンタイさん、堂々といらっしゃい。

 

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